Reciprocal Rank Fusionとは
Reciprocal Rank Fusionとは、複数の検索方式がそれぞれ出した順位リストを、簡単な計算ひとつで1本の順位に統合する手法です。略称はRRF。語の一致で探す検索と意味で探す検索を併用するハイブリッド検索の「集計役」として広く使われています。
計算の中身は、各リストでの順位の逆数(1÷(定数+順位))を文書ごとに足し合わせるだけです。点数の物差しが違う検索同士でも、順位だけを見るので事前の調整がいりません。BM25の点数とベクトル検索の類似度のように、そのままでは比べられない結果も公平にまとめられます。学習データを用意しなくても、単独の検索や学習型の手法を上回る場面が多いと報告されたことが普及の理由です。発表は2009年、カナダのウォータールー大学などの研究者によるものでした。ChatGPT登場(2022年11月)の13年も前の発見が、いまのAI検索を支えています。
Topicたった2ページの論文が「標準部品」になった
原論文は本文わずか2ページの短い報告です。式に出てくる定数は予備実験で60に固定され、その「60」という値が今もElasticsearchの既定値として残っています。複雑な学習モデルを、単純な足し算が上回る。短い論文が15年越しでAI検索の標準部品になった、痛快な例でしょう。
関連用語
Reciprocal Rank Fusionに関するよくある質問
- なぜ機械学習で重み付けせず、単純な式で済むのですか?
- 原論文の実験で、学習型の順位付け手法や他の統合方式を上回る場面が多いと報告されたためです。学習データの準備が不要で、検索方式を入れ替えても調整なしで動く扱いやすさも普及を後押ししました。
- どんな場面で目にしますか?
- RAGや社内検索のハイブリッド検索です。BM25とベクトル検索の結果を1つにまとめる工程で使われ、Elasticsearchなどの検索基盤に機能として組み込まれています。