ERNIE(アーニー)とは
ERNIEとは、中国のバイドゥ(百度)が開発している大規模言語モデルの系列です。バイドゥは2023年1〜3月期に、ERNIEを使った対話サービス「ERNIE Bot」を公開しました。2026年5月には、新しい版のERNIE 5.1を発表しています。
英語表記:ERNIE(Enhanced Representation through kNowledge IntEgration)/開発元:Baidu, Inc.(百度)/対話サービス:ERNIE Bot
ERNIEとERNIE Botは、何が違う?
ERNIEはAIの中身にあたるモデルの名前、ERNIE Botはそれを使って人と会話するサービスの名前です。ERNIE Botの中国語の名前は長く「文心一言」でしたが、2026年10月時点のWebサイトは「百度文心助手」と名乗っています。
バイドゥは、ERNIEを対話サービスだけでなく、自社の文書サービスなどにも組み込んでいます。企業向けの入り口は、クラウドの開発基盤「Qianfan」です。ERNIEのほか他社のモデルも選んで、アプリを作れる仕組みになっています。
版は、どう変わってきた?
バイドゥの年次報告書と発表から、主な版を並べると次のとおりです。2023年10月のERNIE 4.0を、同社は「GPT-4型のモデル」と説明しました。2025年3月のERNIE 4.5は、文章だけでなく画像なども扱える(マルチモーダルな)同社初の主力モデル。同時に、考える工程を踏んで答える推論モデルのERNIE X1も出しています。
2025年6月には、ERNIE 4.5の系列10種類を、誰でも取得して使える形で公開しました。2025年11月のERNIE 5.0は、文章・画像・動画・音声を1つの仕組みで学んだモデルで、パラメータ数は約2.4兆。2026年5月のERNIE 5.1は、パラメータ数を5.0の約3分の1に減らしながら性能を保ったと、同社は説明しています。
中国の規則や、米国の一覧との関係は?
中国国内の一般の人に向けた生成AIのサービスは、2023年8月15日に施行された規則の対象です。規則は、「社会主義の核心的価値観」を守り、国家の政権の転覆をあおる内容などを生成しないことを求めています。世論に影響しうるサービスには、安全性の評価とアルゴリズムの届け出も必要です。バイドゥは、ERNIE Botを一般に公開する前に、これらを済ませたと年次報告書に書いています。では、同じ質問なら、どのAIでも同じ答えが返るでしょうか。どの国の規則のもとで動くサービスかによって、答えの範囲が変わることはありうるでしょう。
米国側では、2026年6月、国防総省がバイドゥを「中国軍事企業」の一覧に加えました。バイドゥは、自社は軍事企業ではないと反論しています。同社の説明では、この一覧は制裁の一覧ではなく、結びついているのは米国政府の調達の制限で、自社の事業や株式の売買には影響しないとしています。
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ERNIEに関するよくある質問
- ERNIE Botは無料で使えますか?
- バイドゥの年次報告書によると、2025年4月1日から、パソコンでもスマートフォンでも、すべての利用者が無料で使えるようになりました。それ以前は、2023年11月1日からERNIE 4.0を有料の定額制で提供しており、同社は中国で初めて利用者から料金を取った会社だと説明しています。
- 日本の会社が、ERNIEを自社で動かすことはできますか?
- ERNIE 4.5の系列は、GitHubなどでApache 2.0ライセンスのもとで公開されており、取得して自社のサーバーで動かせます。最も大きいもので総パラメータ数は4,240億、最も小さいものは3億です。動かす前に、必要な計算機の規模と、自社の用途に合うかを確かめましょう。