Upstage(アップステージ)とは

Upstageとは、韓国・ソウルを拠点に、大規模言語モデル(LLM)と書類読み取りAIを開発する韓国発のAI企業です。ChatGPTのような一般向けの対話アプリよりも、企業の実務にAIを組み込むことに軸足を置いています。読み解く鍵は、小さくても高性能なモデル「Solar」と、書類を自動で読み取るDocument AIの2つでしょう。

ネイバー出身者が2020年に創業

Upstageは2020年、韓国のソウルで設立されました。創業者でCEOのSung Kim(キム・ソンフン)氏は、韓国最大手の検索エンジン、ネイバーでAI部門を率いた経歴の持ち主です。ソウルのほかサンフランシスコや東京にも拠点を構え、ソフトバンク・ベンチャーズ・アジアなどから1億ドルを超える資金を調達してきました。創業当初は書類読み取りなどの企業向けAIが中心で、ChatGPTが広まる前から実務に根ざした開発を続けてきた点も押さえておきたいところ。設立から数年で、韓国を代表する生成AIの担い手の一社に育っています。

小さくても高性能なモデル「Solar」と書類AI

同社の看板は、一部をオープンに公開しているLLM「Solar(ソーラー)」シリーズです。特徴は、モデルの規模をむやみに大きくせず、小さめでも実用に足る性能を出すところにあります。規模が小さいほど動かす費用や電力を抑えやすく、自社の環境に取り込んで使いたい企業に向く設計といえるでしょう。もう一つの柱が、請求書や契約書のような書類を読み取り、必要な情報を自動で取り出すDocument AI(書類読み取りAI)。地道な事務作業を肩代わりする、企業向けの稼ぎ頭です。

ビジネスでの意味

Upstageが見ているのは、一般利用者よりも書類仕事の多い企業の現場です。大きく派手なモデルを追うのではなく、小さく安く実務に効くAIで勝負するという立ち位置がはっきりしています。生成AIの調達先が米国勢に偏りがちな今、韓国発で自国語にも強い供給元があることは、調達の選択肢を考えるうえで覚えておきたい視点ではないでしょうか。

Topic「積み増し」で小さなモデルを世界一に押し上げた

2023年末、Upstageが公開した「Solar 10.7B」は、世界中の公開モデルを比べるHugging Faceのランキングで首位に立ちました。使ったのは、既存モデルの層を積み増して学習し直すDepth Up-Scaling(深さ方向の拡張)という工夫です。約107億パラメータという比較的小さな規模ながら、当時はるかに大きなモデルと肩を並べました。小さく安く動かせるモデルでも世界の最前線に届くと示した一例です。

Upstageに関するよくある質問

Upstageの「Solar」は大手の大規模モデルと何が違いますか?
規模を競うより、小さめのモデルで実用的な性能と運用コストの安さを両立させる方針が持ち味です。動かす費用を抑えたい企業に向いています。
Upstageは韓国語だけの会社ですか?
韓国発ですが、英語の文章でも高い性能を示してきました。書類読み取りなどの製品を、海外の企業向けにも広げています。

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