SNARCとは

SNARCとは、迷路の中のねずみを模した課題で、報酬につながる選択を学習した1951年のニューラルネットワーク機械です。Marvin Minskyが構築し、最初期のニューラルネットワーク学習機の一つとして知られています。

正式名称:Stochastic Neural-Analog Reinforcement Computer(SNARC)

迷路のねずみをどう学ばせたのか

機械の中に本物のねずみがいたわけではありません。迷路の分かれ道に見立てた回路があり、どちらへ進むかを確率的に選ぶ構成。目標へ着いて報酬を受けると、その直前に通った経路の結び付きが強まり、次も同じ道を選びやすくなる仕組みでした。

正解の手順を人が最初から書き込むのではなく、結果の良かった行動を繰り返しやすくする発想です。Minskyの略歴では、最近の反応へ貢献したシナプス結合を強める機械として説明されています。現代の強化学習につながる考え方が、電子計算機の初期に物理回路で試されていました。

現代のニューラルネットワークとは違う

SNARCは、現在のGPU上で巨大なモデル訓練する深層学習とは構成も規模も異なります。約400本の真空管と数百個のリレーを使った電気機械で、単純な条件反射を模すことが目的でした。文章、画像、幅広い知識を扱うモデルではありません。

ChatGPTの公開より71年前の機械です。同じ「ニューラルネットワーク」という言葉が使われても、能力を同一視しないことが大切でしょう。一方、経験によって結び付きの強さを変え、次の行動を変化させる発想は、後の学習機械との歴史的な連続性を示す一例。

AI実証実験への教訓

SNARCは簡単な迷路課題を学べましたが、Minskyは後に、機械が自分の仕組みを説明できなかったと振り返っています。成功した行動の確率を上げることと、問題の一般原理を理解することは別です。

これは現在のAI導入試験にも通じる教訓でしょう。一つの見本で成功した事実と、条件が変わっても再現できる能力を分けて評価しませんか。検証では、初見データ、例外入力、担当者の変更、説明の可否を含め、デモと本番の差を確かめるのが安全です。

Topic学習確率を変えたのは自転車のチェーン

Minsky本人のインタビューによると、SNARCには自転車のチェーンが使われていました。モーターがチェーンを動かし、可変抵抗器のつまみを回すことで、迷路の分かれ道を選ぶ確率を変えたのです。いまなら数式とソフトウェアで表す学習の変化を、回路、モーター、機械部品の動きとして実装していました。

SNARCに関するよくある質問

SNARCはコンピューター上のソフトウェアですか?
現在のアプリのような純粋なソフトウェアではありません。真空管やリレーなどで組まれた物理的な機械で、ニューラルネットワークの働きを電気機械的に再現しました。
SNARCの学習結果は、別の迷路にもそのまま使えましたか?
Minsky本人は、似た迷路へ学習を移せなかったと振り返っています。特定の課題で報酬につながる選択は強められても、一般的な迷路攻略法を抽象化したわけではありません。

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