ヘッブの法則とは

ヘッブの法則とは、「同時に活動した神経細胞どうしは、結びつきを強める」という、脳の学習についての考え方のことです。1949年に心理学者ドナルド・ヘッブが提唱しました。一緒に働いた細胞のつながりが太くなるという素朴な原理で、後のニューラルネットワークパーセプトロンの源流になった、AIの歴史の出発点のひとつです。

英語表記:Hebbian theory(Hebb’s rule)

ニューラルネットの源流として

ヘッブの法則は、人工のニューラルネットが「重み(つながりの強さ)」を調整する発想の、いわば原型です。ただし、今の深層学習を支えるバックプロパゲーション(誤差逆伝播)とは別の学習則。バックプロパが「答えとのズレ」を全体に行き渡らせて調整するのに対し、ヘッブの法則は「つながった2つの細胞が同時に活動したか」だけで、その場のつながりを変えます。コンピュータが広まる前の脳科学の洞察が、巡り巡って今のAIの土台に効いている、というわけです。

Topic「ともに発火する細胞は結びつく」は、ヘッブの言葉ではない

ヘッブの法則を表す有名な標語に、「ともに発火する細胞は結びつく」があります。とても言い得て妙ですが、じつはこのフレーズ、ヘッブ本人が書いた言葉ではありません。後年(1990年代)に作られた要約として広まったもので、ヘッブ自身の1949年の記述は、もっと慎重で長い言い回しでした。キャッチーな一言が独り歩きして定着した、よくある一例といえるでしょう。

ヘッブの法則に関するよくある質問

ヘッブの法則は、今のAIでも使われていますか?
今の深層学習の主流は別の学習則(バックプロパゲーション)ですが、ヘッブの発想は脳に近い学習の研究や、一部のニューラルネットの仕組みに今も生きています。AIの源流を理解するうえで欠かせない考え方です。
「神経細胞が結びつく」とは、具体的にどういうことですか?
ある細胞が別の細胞を繰り返し活動させると、その間の信号の伝わりやすさが増す、という意味です。よく一緒に働く細胞どうしのつながりが強まり、それが記憶や学習の土台になると考えられています。

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