自己組織化写像とは

自己組織化写像とは、たくさんの項目を持つ複雑なデータを、似たもの同士が近くに並ぶ「2次元の地図」へ自動で整理してくれる、教師なし学習ニューラルネットワークのことです。フィンランドのテウヴォ・コホネンが1982年に発表し、考案者の名から「コホネンマップ」とも呼ばれます。正解を与えなくても、データの中に隠れた“ご近所関係”を地図として浮かび上がらせる点が持ち味です。

英語表記:self-organizing map (SOM)

似たデータが、近くに集まっていく

ここでいう「複雑なデータ」とは、たとえば顧客一人ひとりの年齢・購買額・来店頻度といった、いくつもの項目(軸)を持つ情報のことです。自己組織化写像は、こうしたデータを一枚の地図の上に並べ、性質の近いもの同士をご近所に配置していきます。仕組みはシンプルで、入力に最も近い地図上の点とその周りを、少しずつそのデータへ引き寄せる作業をくり返すだけ。これを大量のデータで続けると、似た者が自然と固まり、全体の傾向がひと目で見渡せる地図ができあがります。バラバラに見えた数字の集まりから、隠れたグループや構造を見つけ出すのに役立つでしょう。

Topic一つの手法が、国を代表する科学者を生んだ

自己組織化写像を生んだテウヴォ・コホネン(1934〜2021)は、この手法があまりに広く使われたことで「最も多く引用されるフィンランド人科学者」と見なされることが多い人物です。関連する文献は約8,000件にのぼり、論文の数も300本を超えました。ディープラーニングが脚光を浴びるずっと前の1980年代に作られた地図づくりの手法が、今も世界中の研究で参照され続けている。古いアイデアほど、骨太なのかもしれませんね。

自己組織化写像に関するよくある質問

自己組織化写像と、ふつうのニューラルネットワークは何が違いますか?
多くのニューラルネットは「正解」を教えて学ばせますが、自己組織化写像は正解なしでデータの構造を見つける「教師なし学習」です。分類そのものよりも、似たデータの地図づくりに向いています。
自己組織化写像はディープラーニングの一種ですか?
直接の前身ではありませんが、1980年代から続くニューラルネットワーク研究の一つです。何層も重ねて学ぶ今のディープラーニングとは仕組みが異なり、データを地図状に整理することに特化しています。

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