マイクロソフトコパイロットとは
マイクロソフトコパイロットとは、Microsoftが提供する対話型のAIアシスタント「Copilot」のことです。Windowsのタスクバーやスマートフォンのアプリ、Edgeブラウザの横の画面、WordやExcel、Teamsの中から、話しかけるように調べ物や文章の下書き、要約を頼めます。個人はMicrosoftアカウントで無料から、会社では職場のアカウントで使う、という2つの入口があるのが特徴です。
英語表記:Microsoft Copilot
どこで、何を頼めるのか
呼び出し口は、ふだん使う道具のあちこちに用意されています。個人ならWindowsのCopilotアプリ、スマートフォンのアプリ、Web版が主な入口です。職場のアカウントでサインインすれば、WordやExcel、PowerPoint、Outlook、Teamsの中からも呼び出せます。頼める作業は、Web検索を踏まえた調べ物、文章の下書きや言い換え、アップロードしたファイルの要約、画像の生成など。パソコンの画面やスマートフォンのカメラ映像を見せながら質問できる「Copilot Vision」という機能もあります(使える条件はプランによって異なります)。
個人向けの有料版だった「Copilot Pro」は、2025年10月1日に新規販売を終えました。Microsoftは、その機能を含む「Microsoft 365 Premium」(発表時の米国価格で月額約20ドル)への乗り換えを案内しています。なお、プログラミングを手伝う「GitHub Copilot」は、Microsoft傘下のGitHubが提供する別の製品なので、混同しないようにしましょう。
個人用と仕事用では、何が違う?
2026年8月から、個人向けのCopilotアプリと、仕事向けの「Microsoft 365 Copilot」アプリを1つにまとめる移行が始まりました。1つのアプリの中で、個人のMicrosoftアカウントと職場・学校のアカウントを切り替えて使う形です。Microsoftは、両者は設計のうえで分けられていて、データは互いに行き来しないと説明しています。
大きく違うのは、入力した内容の扱い。職場のアカウントでは、入力と回答はAIの土台となるモデルの学習に使われません。一方、個人アカウントのCopilotでは、会話の内容(アップロードした画像やファイルを含む)がMicrosoftのAIの学習に使われることがあります。止めたい場合は、設定の学習に関する項目(英語の画面では「Model training」)をオフにしておくと安心でしょう。同じアプリに2つのアカウントが並ぶぶん、業務の資料を貼り付ける前に、いまどちらのアカウントで話しているかを確かめる習慣が欠かせません。
会社の見積書にある「Microsoft Copilot」は何を指す?
もうひとつ紛らわしいのが、名前かもしれません。Microsoftは2026年に、会社向けの有料版「Microsoft 365 Copilot」を「Microsoft Copilot」へ、職場のアカウントに追加費用なしで付く「Microsoft 365 Copilot Chat」を「Microsoft Copilot Chat」へ改めました。会社の契約や見積もりに「Microsoft Copilot」とあれば、それは社内のメールや会議、ファイルまで踏まえて答える有料の追加ライセンス(旧Microsoft 365 Copilot)のことです。追加費用なしで使えるのは「Copilot Chat」のほうで、移行期間のため、画面や書類に旧名称が残っている場合もあります。
Topic「副操縦士」は、最初は製品名ではなく“たとえ”だった
2023年2月7日、MicrosoftがAIを組み込んだ新しいBingとEdgeを発表したとき、公式ブログの題名の結びは「Webのための、あなたのcopilot(副操縦士)」でした。この時点のcopilotは製品名ではなく、道具の性格を言い表すたとえで、チャット機能そのものは「新しいチャット体験」と紹介され、のちにBing Chatの名で知られます。同じ年の9月21日、Microsoftは各製品のAIを「Microsoft Copilot」という1つの名前にまとめると発表し、11月15日には「Bing ChatとBing Chat Enterpriseは、単にCopilotになる」と宣言しました。たとえ話が、そのままブランド名になったわけです。主役は人で、AIは隣の席。Microsoftは同じ2023年に、Copilotでは常に使う人が主導権を持ち、何を残し、直し、捨てるかを決めるのはその人だ、と説明しています。
マイクロソフトコパイロットに関するよくある質問
- いま使っている画面が、仕事用の保護された状態かどうか見分けられますか?
- 見分けられます。職場や学校のアカウントで使うCopilot Chatでは、「新しいチャット」ボタンの横に緑の盾マークが表示されます。これは、入力内容と回答が企業向けの保護(エンタープライズデータ保護)の対象になっている目印だと、Microsoftは説明しています(2026年8月時点)。この保護に追加費用はかかりません。盾マークが見当たらないときは、個人アカウントで話している可能性があるので、アプリのアカウント切り替えを確かめてから業務の話を始めましょう。
- 社内のファイルやメールも読ませられますか?
- 追加費用なしで使えるCopilot Chatは、既定ではWeb(Bingの検索結果)の情報を土台に答え、社内のファイルやメール、チャットには自動ではつながりません。社内文書を踏まえさせたい場合は、その場でファイルを添付する、Outlookの中でCopilot Chatを使う(受信トレイや予定表を参照できます)、組織のデータにつないだエージェントを使う、有料の追加ライセンス(Microsoft Copilot。旧Microsoft 365 Copilot)を契約する、といった方法が要ります。開けば社内の資料をすべて把握してくれるわけではない点は、導入前に押さえておきたいところです。
- 中身はChatGPTと同じですか?
- 同じではありません。CopilotはMicrosoftの製品で、利用規約やデータの扱いもMicrosoftのものです。答えを作るAIにはOpenAIのGPTシリーズ(Microsoftの資料では例としてGPT-5)などが使われ、仕事用のCopilot Chatでは、既定で質問の内容に応じてモデルが自動で切り替わります。さらに仕事用では、EU・EFTA・英国を除く多くの企業で、AnthropicのClaudeも既定で使える設定になっています。使うAIを限りたい会社は、管理者がMicrosoft 365管理センターでAnthropicの利用を止められます。