ISO/IEC 23053とは

ISO/IEC 23053とは、機械学習を使ったAIシステムを、共通の言葉と部品で描き出すための国際的な枠組み(フレームワーク)を定めた規格です。2022年6月に発行されました。機械学習とは、大量のデータからAIが規則性を学び取る作り方を指します。

英語表記:Framework for Artificial Intelligence (AI) Systems Using Machine Learning (ML)

機械学習AIの「設計の見取り図」

この規格が示すのは、AIそのものの性能基準ではありません。学習に使うデータ、そこから作られるモデル、学習や判断の流れといった構成要素を、決まった用語で整理して記述するための「型」です。ベンダーごとにバラバラだったAIの説明を、同じ土俵に並べて比べられるようにするのが狙いといえます。ここで取り違えやすいのが規格の性格でしょう。これは認証を取得する規格ではなく、AIの中身を構造立てて語るための共通語に近いものと捉えると正確です。

姉妹規格との役割分担と使いどころ

用語と概念を定義したISO/IEC 22989と対になる規格で、22989が「言葉の辞書」なら、23053は「組み立て方の見取り図」にあたります。さらにAIの企画から運用までの工程を定めたISO/IEC 5338などと組み合わせて使われます。経営の現場では、AIを外注・調達するときに、提案されたシステムの構成を同じ物差しで読み解ける点が実用的です。「このAIは何を学習し、どう判断するのか」を技術部門任せにせず把握する助けになるでしょう。

Topic2022年生まれの規格が、生成AIに合わせて追補中

ISO/IEC 23053が発行された2022年6月は、ChatGPTが一般に公開された2022年11月30日より前のことでした。当時に想定されていたのは画像認識や数値予測といった機械学習が中心で、文章や画像を生み出す生成AIが爆発的に広まる前だったわけです。そこで規格の側でも、生成AI向けの追補(改正)を整える作業が進められています。技術の動きに合わせて、土台となる規格も書き足されているのですね。

ISO/IEC 23053に関するよくある質問

ISO/IEC 23053はいつ、どの組織が定めた規格ですか?
2022年6月に、ISOとIECの合同専門委員会であるJTC 1/SC 42が発行しました。AIの国際標準づくりを担う部会です。
AIを開発せず使うだけの会社にも関係しますか?
取得義務のある規格ではありません。ただしAIを調達・導入する側でも、提案されたシステムの説明を読み解く共通語として活用でき、ベンダーとの認識合わせに役立ちます。

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