AMD Instinct MI300とは

AMD Instinct MI300とは、半導体大手AMDが2023年12月に投入した、生成AI学習推論を担うデータセンター向けの高性能チップのシリーズです。AIの計算用チップといえばNVIDIAのGPUが広く使われてきましたが、MI300はそこに本格的に挑む、AMDの主力AIアクセラレータとして登場しました。「もう一社の有力な選択肢」が出てきたという点に意味があります。

MI300XとMI300Aは別物

MI300には末尾の文字が違う2タイプがあり、ここはよく混同されます。MI300Xは純粋なGPUで、192GBという大容量メモリを積んだAI特化型。一方のMI300Aは、CPUとGPUを1つの部品に同居させた「APU」で、科学技術計算などに向きます。ざっくり言えば、Xはひたすらメモリと演算をAIに振った型、Aは頭脳(CPU)と計算力(GPU)を一体にした欲張りな型でしょう。同じMI300でも狙いが違うので、どちらの話かは押さえておきたいところです。

経営から見たときの意味

AIの計算チップがNVIDIA一社に集中すると、価格も供給も相手次第になりがちです。そこへAMDが対抗馬を出した意義は小さくありません。調達先に選択肢が増えれば、企業は価格や入手のしやすさで交渉しやすくなるからです。なお、MI300は2023年世代であり、その後はMI325X(2024年)やMI350シリーズ(2025年)といった後継も登場しています。AIチップは進化が速い世界。製品名だけで判断せず、どの世代の話かを確かめる習慣が役に立つでしょう。

Topic武器は「メモリの大きさ」だった

MI300Xが打ち出した最大の売りは、192GBという大容量メモリでした。NVIDIAの当時の主力GPU「H100」が80GBだったのに対し、およそ2.4倍の広さ。メモリが大きいほど、巨大なAIモデルをより少ない枚数のチップに載せられます。使うチップが減れば、それだけ台数も電気代も抑えやすい。AMDは速さの真っ向勝負ではなく、この「載せやすさ」を差別化の入り口に選んだわけです。

AMD Instinct MI300に関するよくある質問

NVIDIAのGPUから、AMD Instinct MI300へ簡単に乗り換えられますか?
単純な差し替えにはならない場合があります。AMDはROCm、NVIDIAはCUDAという別のソフト基盤を使うため、動かしているプログラムによっては移行のための対応作業が必要です。
AMD Instinct MI300は個人でも買えるのですか?
データセンター向けの業務用チップで、主にクラウド事業者や大企業、研究機関が使います。個人が単体で導入するものではなく、これを備えたクラウド経由で利用するのが一般的です。

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