生成AIパスポートのシラバス改訂で変わる出題範囲【2027年2月試験から適用】
旧シラバスで学んだ基礎知識を生かしながら、新しい出題範囲を確認できます。
新旧の章を比べ、補う項目を選んでから2027年2月試験に向けて準備を進めましょう。
生成AIパスポートのシラバスが大幅に改訂され、2027年2月試験から新しい出題範囲が適用されます。章の数は5つのままですが、全5章の章名と中身が見直されたため、旧シラバスや旧版の教材で勉強してきた人は、どこを補えばよいかを章ごとに確かめておきたいところです。
補う範囲に加えて、受験する回の決め方や、合格済みの人が気になる資格更新テストの扱いも、GUGA(生成AI活用普及協会)が2026年10月1日に発表した内容(2026年10月10日時点)から判断できます。
なお、検索では「シラバス改定」と書かれることもありますが、GUGAの公式表記は「改訂」です。
生成AIパスポートの新シラバスは2027年2月試験から適用
生成AIパスポートの新シラバスが適用されるのは2027年2月に開催される試験からで、2026年10月試験までは旧シラバスの範囲で出題されます。つまり、どちらの範囲で勉強するかを決めるのは、受験する回です。
ここで注意したいのが、2026年10月10日時点で、2026年10月試験の申込はすでに締め切られている点です。GUGAの年間スケジュールでは10月試験の申込期間は8月1日から9月30日までで、よくある質問でも受験期間中にその回の試験へ申し込むことはできないと案内されています。
要点受験する回で、勉強する範囲が分かれる
2026年10月試験に申込済みの人
旧シラバスの範囲のまま、手元の教材で準備を続けます。
これから受験を検討する人
次に申し込めるのは2027年2月試験以降なので、新シラバスで準備します。
そのため、これから勉強を始める人が旧シラバスの範囲を選ぶことはできず、最初から新シラバスを前提に教材と計画を組むことになります。その最初の回にあたる2027年2月試験の申込期間は、2026年10月1日から2027年1月31日までです。この回の受験期間を含む日程は、生成AIパスポートの新シラバスはいつからかで確認できます。
出典: GUGA「生成AIパスポート」試験概要(年間スケジュール・試験出題範囲)
生成AIパスポートのシラバス改訂で全5章はどう変わるか
生成AIパスポートのシラバス改訂では、5章という構成は変わらず、全5章の章名と範囲が再編されました。GUGAは改訂の背景として、AIエージェントの台頭と、シャドーAI(未承認のAI利用)による情報漏えいなどの新たなリスクを挙げており、AIの出力を人が評価・検証して最終的な判断と責任を担う姿勢を重視する内容になっています。
新旧シラバスの章名比較(全5章)
| 章 | 旧シラバス (2026年10月試験まで) | 新シラバス (2027年2月試験から) |
|---|---|---|
| 第1章 | AI(人工知能) | AIの基礎と歴史 |
| 第2章 | 生成AI (ジェネレーティブAI) | 生成AI |
| 第3章 | 現在の生成AI (ジェネレーティブAI) の動向 | AIエージェント |
| 第4章 | 情報リテラシー・ 基本理念と AI社会原則 | 生成AIのリスク予防・ AI倫理・ガバナンス |
| 第5章 | テキスト生成AIの プロンプト制作と実例 | 生成AIの実践と 活用事例 |
章名だけを見ると第3章から第5章の変化が目立ちますが、GUGAが公開している章別の改訂内容には全5章それぞれに改訂ポイントが書かれており、第1章と第2章も「旧シラバスと同じ」ではありません。
出典: GUGA「生成AIパスポート試験シラバス(2027年2月試験より適用)」(PDF)
第1章と第2章で補う「仕組み」の理解
第1章は、AIの定義や種類を中心にした構成から、ルールベースと機械学習の違いや代表的な学習手法を整理する構成へ見直されました。あわせて、ニューラルネットワークが学習する仕組みや、ディープラーニングの代表的なモデルと生成系AIとの関係まで範囲が広がっています。
一方の第2章は、生成モデルの歴史や主要サービスを中心にした構成から、生成AIを「技術・学習・生成」の流れで捉える構成に変わりました。具体的には、事前学習やRLHF(人の評価を手がかりに応答を調整する学習)、次に続く語を確率で選ぶ次トークン予測、AIが一度に扱える情報量を指すコンテキストウィンドウなどが加わっています。
こうした仕組みの理解が増えたのは、もっともらしい誤り(ハルシネーション)がなぜ起きるのかを知り、出力を自分で評価できるようにするためだと説明されています。なお、旧シラバスで第5章にあったLM(言語モデル)とLLM(大規模言語モデル)の違いや、出力のばらつきを調整するTemperatureとTop-pといった生成パラメータは、新シラバスでは第2章へ移りました。
このように章をまたいで移った項目もあるため、旧シラバスの項目名が新しい章で見当たらなくても、出題されなくなったとは判断できません。
新シラバスで重点的に学ぶ第3章から第5章の変更点
新シラバスの変更点のうち、GUGAが主な改訂内容として挙げているのは、おもに第3章から第5章にあたる3つの領域です。旧教材で勉強してきた人は、この3章を「旧シラバスにもあった項目」と「新たに加わった項目」に分けて読むと、補う範囲を絞り込めます。
第3章はAIエージェントが独立した章に
第3章は、旧シラバスで一部の項目として扱われていたAIエージェントを、独立した章として再編したものです。AIエージェントとは、指示に答えるだけでなく、外部のツールやデータと連携しながら複数の工程を進めるAIを指します。
この章は、定義、RAG、仕組み、MCPなどの外部連携、ツールと活用事例、リスクと安全性・評価という6つの区分(中項目)で構成されています。
上の図のとおり、RAG(社内文書などを検索してから回答を作る方式)やMCP(AIと外部のツールやデータをつなぐ共通の仕組み)は、2026年2月試験から適用された旧シラバスにすでに入っていました。一方、今回新たに加わった項目の例としてGUGAが挙げているのは、AIに渡す情報を設計するコンテキストエンジニアリングや、指示に悪意ある命令を紛れ込ませる攻撃であるプロンプトインジェクションです。
新しい項目に加え、旧教材で学んだRAGや外部連携の更新点も確かめ、権限を与えすぎた場合のリスクや、人が確認・承認する場面といった安全面の項目を補っていきましょう。
第4章はリスク予防とガバナンスへ再編
第4章は「情報リテラシー・基本理念とAI社会原則」から「生成AIのリスク予防・AI倫理・ガバナンス」へ章名が変わり、個人の使い方から組織の管理までを一続きで学ぶ構成になりました。このうち個人情報や著作権、AI事業者ガイドラインは旧シラバスにもあった領域なので、学んだ知識を足がかりに拡充された内容を確認できます。
これに対して、新たに加わったり大きく拡充されたりしたのが、AIは補助者で最終責任は人間にあるという利用者の基本姿勢や、会社が承認していないAIツールを業務で使うシャドーAI、用途と影響度に応じて出力を確かめるAI出力の評価と検証です。さらに、社内ガイドラインの整備やAIツールの選定・承認、AI法と国際ルール、安全保障まで対象が広がっています。
こうした項目は、暗記で終わらせずに自分の職場へ置き換えて読むのがおすすめです。たとえば、入力してよい情報の線引きは生成AIの社内ルールを禁止業務から決める方法と、誤った出力を招きにくい指示の書き方はハルシネーションを起こしやすいプロンプトの典型パターンと重ねて読むと、試験の項目が実務の場面につながります。
第5章はプロンプト中心から業務別の活用へ
第5章は「テキスト生成AIのプロンプト制作と実例」から「生成AIの実践と活用事例」へ変わり、プロンプトの書き方に、業務別・業種別の活用が加わりました。プロンプトエンジニアリングは新シラバスでも第5章の最初の項目として残っているため、旧教材で身につけた書き方の知識は引き続き役立ちます。
旧シラバスでも扱っていた文書作成などの基本的な用途に加えて、企画・マーケティング、クリエイティブ制作、データ分析・リサーチ、開発・業務自動化といった業務別の活用と、業種別の事例まで対象が広がりました。それぞれの場面には、出力の確認や権利・個人情報への配慮といった留意点も盛り込まれているので、自分の仕事に近い場面から「どこで人が確かめるか」とセットで読むと、活用方法とリスクを同時に押さえられます。
旧教材から新シラバスへ勉強を切り替える手順
旧教材から新シラバスへ切り替える時は、まずGUGAが公開している新シラバスのPDFで差分を確かめ、補う範囲を絞ってから勉強に入るのがおすすめです。PDFは全10ページあり、9ページ目からの「シラバス改訂内容」に、新旧の章構成と章別の主な改訂内容がまとめられています。
PDFを開いたら最初に、表紙にある適用開始回が自分の受験回と合っているかを確かめます。GUGAはシラバスを毎年2月を基本に年1回以上の頻度で改訂しているため、手元の資料がどの回に対応しているかを見ておかないと、古い範囲で勉強してしまいかねません。
次に、各章の学習項目と詳細キーワードを「説明できる」「聞いたことがある」「初めて見る」に分け、初めて見る項目から補っていきます。AIに質問しながら勉強する場合は、答えを読んだだけで終わらせない復習法もあわせて取り入れてみてください。
教材については、旧版(第4版)は2026年10月試験向けで、2027年2月以降の試験に対応する改訂版の公式テキストは2026年11月24日から順次発送される予定です。ただし、GUGAは旧版から改訂版への交換や返品を受け付けていないので、改訂版が必要な人は改めて購入することになります。その改訂版の価格と購入方法は、2027年版の公式テキストの発売・発送予定にまとめています。
出典: GUGA「生成AIパスポート公式テキストの発行元変更に関するお知らせ」(2026年10月1日)
改訂版が届くまでの間も、シラバスのPDFがあれば出題範囲を先に把握しておけます。
注意差分の確認だけで合格が保証されるわけではない
合否の基準点や採点の詳細は公表されていません。差分の確認は学習の優先順位を決めるための作業と考え、新シラバスの全範囲に一度は目を通しておきましょう。
生成AIパスポートの資格更新テストは受けなくても資格は無期限
すでに合格している人が気になる資格更新テストについては、受けなくても生成AIパスポートの資格が失効することはありません。GUGAは、更新テストの受講有無を問わず、一度取得した資格は無期限だと明記しています。
このテストは有資格者が改訂内容を学び直す機会として用意されたもので、合格すると新たにオープンバッジ(デジタルの証明書)が発行され、AIリテラシーをアップデートした証明として使えます。
資格更新テストの概要(2026年10月時点)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 形式 | eラーニングと チェックテスト (オンライン) |
| 所要時間 | 動画視聴約3時間と チェックテスト10問 (制限時間15分) |
| 出題範囲 | 改訂内容と重要な復習内容を まとめた動画から出題 |
| 受講費用 | 約6,600円(税込) 学生は約3,300円(税込) |
| 申込期間 | 2026年10月1日〜 2027年5月31日 |
| 受講開始日 | 2027年2月1日 |
| 受講できる期間 | 受講IDの発行日から 30日間 |
※受講費用は今後改定される場合があり、学生料金は学生であることを証明できる場合に適用されるため、申込時の案内で確かめてください。
この表で見落としやすいのが、申込の受付は始まっていても、受講を始められるのは2027年2月1日からという点です。また、受講できる期間は受講IDの発行日から30日間と案内されているため、申し込んだ後は届いた案内で自分の受講期限を確かめておきましょう。
資格を維持するだけなら受講は不要なので、動画で学び直す方法と、学習の証明が必要かどうかで決めるとよいでしょう。動画とチェックテストで学び直したい人や、勤務先などへの証明に使いたい人は検討し、自分で学習を進めたい人は新シラバスの確認から始めましょう。
出典: GUGA「生成AIパスポート、2027年試験のシラバスを大幅改訂。改訂版公式テキストの予約販売および資格更新テストの受講申込受付を開始」(2026年10月1日)
生成AIパスポートのシラバス改訂でよくある質問
Q生成AIパスポートの新シラバスはいつから適用されますか?
A生成AIパスポートの新シラバスは、2027年2月に開催される試験から適用されます。2026年10月試験までは旧シラバスの範囲で出題されます。
Q生成AIパスポートのシラバス改訂で章の数は変わりましたか?
A生成AIパスポートのシラバスは、改訂後も5章構成のままです。ただし全5章の章名と範囲が見直され、第3章はAIエージェント、第4章は生成AIのリスク予防・AI倫理・ガバナンス、第5章は生成AIの実践と活用事例になりました。
QRAGやMCPは今回のシラバス改訂で初めて追加された項目ですか?
ARAGやMCPは旧シラバスでも扱われており、今回の改訂では内容が更新されました。新たな項目の例としてGUGAが挙げているのは、コンテキストエンジニアリングやプロンプトインジェクションです。
Q旧版の公式テキスト(第4版)だけで2027年2月以降の試験に対応できますか?
A旧版の公式テキスト(第4版)は2026年10月試験向けの教材で、2027年2月以降の試験には改訂版が対応します。旧版で学んだ人は、新シラバスのPDFで追加された範囲を確かめて補う必要があります。
Q資格更新テストを受けないと生成AIパスポートの資格は失効しますか?
A資格更新テストを受けなくても、生成AIパスポートの資格は失効しません。GUGAは、更新テストの受講有無を問わず、一度取得した資格は無期限だと案内しています。
Q生成AIパスポートの資格更新テストは今すぐ受講できますか?
A資格更新テストの申込受付は2026年10月1日に始まっていますが、受講を開始できるのは2027年2月1日からで、申込期間は2027年5月31日までです。
Qこれから2026年10月試験に申し込めますか?
A2026年10月試験の申込期間は9月30日で終了しており、受験期間中にその回へ申し込むことはできません。これから申し込めるのは2027年2月試験以降で、出題範囲は新シラバスになります。
受験する回を決めて、章ごとの差分から補う
生成AIパスポートのシラバス改訂とは、2027年2月試験から出題範囲の全5章を再編し、AIエージェントやリスク予防、業務別の活用を拡充する見直しのことです。立場ごとに次にやることを整理すると、次の3つになります。
- 2026年10月試験に申込済みの人は、旧シラバスの範囲のまま準備を続ける
- これから受験する人は、新シラバスのPDFを9ページ目から読み、補う項目を決める
- 合格済みの人は、資格が無期限であることを前提に、学び直し方と学習の証明に合わせて更新テストを検討する
試験勉強をきっかけにAIの学び直しを続けたい人は、AIを何から勉強するかの優先順位も参考に、試験の範囲と仕事で使う知識をつなげてみてください。