ISO/IEC 12792とは
ISO/IEC 12792とは、AIシステムの透明性を考えるために、開示・説明すべき情報要素を分類するISO/IECの国際規格です。2026年6月時点で、ISO公式ではISO/IEC 12792:2025としてPublishedになっています。透明性は「何でも公開する」ことではありません。利用者、監査担当者、開発者など、相手ごとに必要な情報を整理する考え方。
英語表記:ISO/IEC 12792:2025 Transparency taxonomy of AI systems
説明可能性との違い
説明可能性は、AIの結果や理由を相手が理解できる形にする考え方です。一方でISO/IEC 12792は、透明性のためにどんな情報要素を扱うかを分類することに焦点があります。たとえば、学習データの概要、利用目的、制限、監視方法、責任者など。AI原則を掲げても、情報開示の粒度が決まっていなければ、現場では説明がばらつきます。
社内ルールへの落とし込み
実務では、AIシステムごとに「誰が、何を、いつ見られるべきか」を表にすると使いやすくなります。顧客へ見せる情報と、社内監査で見る情報は同じではありません。透明性を一律公開と捉えると、機密情報を出しすぎる危険も、説明不足になる危険もあります。透明性は開示量ではなく、相手に合った情報設計と考えると判断しやすいでしょう。
Topic透明性の規格は英語とフランス語で出ている
ISO公式ページでは、ISO/IEC 12792:2025の掲載言語としてEnglishとFrenchが示されています。AIの透明性は、単に開発者向けの技術メモではなく、国境を越えて説明や開示の言葉をそろえるテーマです。日本企業が海外顧客や現地規制に向き合うときも、こうした共通語を押さえておくと会話が早くなります。
ISO/IEC 12792に関するよくある質問
- 透明性はすべての情報を公開することですか?
- 違います。誰にどの情報を出すべきかを整理する考え方で、機密情報を無制限に開示する意味ではありません。
- ISO/IEC TS 6254とはどう使い分けますか?
- TS 6254は説明可能性の目的や方法に寄り、12792は透明性のための情報要素の分類に寄ります。説明の中身を設計する前に、どんな情報を扱うかを整理する関係です。