Distributor Obligations (AI Act)とは
Distributor Obligations (AI Act)とは、EU AI法で高リスクAIシステムをEU市場で利用可能にする流通事業者に課される確認・停止・協力の義務です。2026年7月時点の法令本文では、再販売や流通段階でも確認を素通りさせない役割として定められています。
英語表記:Article 24: Obligations of distributors
流通前に見るべき書類がある
Distributor Obligations (AI Act)では、高リスクAIシステムを市場で利用可能にする前に、CEマークの表示(CE Marking (AI Act))、EUへの適合宣言(EU Declaration of Conformity (AI Act))の写し、使用説明、Provider Obligations (AI Act)やImporter Obligations (AI Act)の一部が満たされているかを確認する立場です。
不適合の疑いがある場合、流通事業者はそのAIシステムを市場で利用可能にしてはいけません。仕入れて売るだけだから責任が軽い、とは限らない点がAI Actの実務上の注意点です。
保管や輸送も適合性に関わる
Article 24は、流通事業者の責任下にある間の保管や輸送条件についても触れています。AIシステムがクラウドサービス型の場合も、契約、アクセス権、構成情報、提供条件の管理が適合性を損なわないかを見なければなりません。
営業部門だけで販売開始を決めず、法務と品質保証が必要書類を確認する運用が現実的です。特に代理店経由でEUに提供する場合、誰がDistributorなのかを契約上はっきりさせる必要があるでしょう。
Topic市場に「置く」と「利用可能にする」は違う
AI Actでは、Importerが市場に初めて置く場面と、Distributorが市場で利用可能にする場面を分けて書きます。小さな言葉の違いですが、販売代理、再販売、SaaS提供のような流通構造では、誰がどの段階の責任を持つかを考える手がかりです。
Distributor Obligations (AI Act)に関するよくある質問
- CEマークがあれば確認は終わりですか?
- 終わりではありません。EU適合宣言の写し、使用説明、提供者や輸入者の基本情報なども確認対象になります。
- Distributorは技術文書を全部作る必要がありますか?
- 提供者と同じ作成義務ではありません。ただし、CEマーキング、EU適合宣言、使用説明などを確認し、不適合の疑いがあれば流通させない責任があります。