用語 基本

チャットボットとは

チャットボットとは、人と文字や音声で会話するように受け答えするソフトウェアです。問い合わせ窓口の自動応答や、メッセージアプリ上の案内役などでおなじみの仕組み。質問を入力すると、それらしい返事が返ってくる対話の形をとります。ChatGPTのような対話型AIも、広い意味ではチャットボットの一種です。

昔ながらの自動応答と、今のAI型

ひとくちにチャットボットと言っても、中身は時代で大きく変わってきました。かつての主流は、あらかじめ決めた質問と答えを結びつけておき、決まり文句を返すルール型です。今では大規模言語モデルを使い、その場で文章を作り出すAI型が広がっています。前者は台本どおり、後者はその都度考えて返す、という違いがあると捉えるとわかりやすいでしょう。

ここで気をつけたいのは、チャットボットはChatGPTが登場してから生まれた新しい技術ではない、という点です。最初のチャットボットが作られたのは、なんと1966年。ChatGPTが世に広まる半世紀以上も前から、人と会話するプログラムの研究は続けられてきました。

Topic最初のチャットボットが「セラピスト」だった理由

1966年にマサチューセッツ工科大学で作られた「ELIZA(イライザ)」が心理カウンセラーの口調をとったのは、そういう製品を作りたかったからではありません。作者のジョセフ・ワイゼンバウムは同年の論文で、精神科の面談は「会話する二人のうち一方が、現実世界をほとんど何も知らないという構えをとってよい、数少ない会話の型のひとつ」だから選んだと書いています。たとえば「長いボート旅行に行ってきた」に「ボートについて聞かせてください」と返されても、相手がボートを知らないとは受け取らないでしょう。知識の乏しさが露見しない、数少ない舞台だったわけです。名前も、教え方しだいで話し方が変わる戯曲『ピグマリオン』のイライザにちなみます。ただし論文は、こうも釘を刺しています。見かけと中身の関係は、劇作家の領分に留まったままだ、と。

チャットボットに関するよくある質問

ELIZAはどんな仕組みで返事をしていたのですか?
1966年の論文によれば、入力文から手がかりになる語を見つけ、それに結びついた「分解規則」で文を切り分け、対になった「再構成規則」で返事を組み立てていました。意味を理解して答えているのではなく、型に当てはめて並べ替えていただけです。決まった型で返すルール型の原型といえます。
そんな単純な仕組みでも、人間だと思われたのですか?
作者は論文で、ELIZAが人間ではないと納得させるのがとても難しい被験者もいたと記し、これを「チューリング・テストの際立った一形態」と呼びました。そのうえで、ELIZAが示したのは「理解しているという錯覚」を作り出し、保ち続けることがいかにたやすいかだ、と結んでいます。

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