用語 基本

対話型AIとは

対話型AIとは、人と自然な言葉でやり取りできるAIの総称です(英語ではConversational AI)。文字でも音声でも、まるで会話するように質問でき、AIが言葉で答えを返してくれる仕組みを指します。身近な例としては、ChatGPTGeminiのようなチャットサービスや、スマートフォンの音声アシスタントが挙げられます。

対話型AIの仕組み

対話型AIを支える中心の技術が、人間の言葉をコンピュータが扱う自然言語処理です。近年はその主役が大規模言語モデル(LLM)に移り、あらかじめ用意した返事をなぞるのではなく、文脈に合わせて文章をその場で組み立てて返すようになりました。

音声で使う場合は、声を文字に変換する音声認識などの技術と組み合わせます。文字のチャット、音声アシスタント、業務システムの自動応答まで、見た目はさまざまでも「言葉でやり取りする」という点は共通しているといえるでしょう。

昔のチャットボットとの違い

「対話できるプログラム」自体は古くからありました。違いは中身にあります。かつてのチャットボットは、決められたキーワードに決められた返事を返す「台本どおり」の仕組みが中心でした。いまの対話型AIは大量の文章から学んだLLMが土台なので、想定していなかった質問にも文脈をくんで柔軟に応じられます。

気をつけたいのは、対話型AIはあくまで総称だという点です。ChatGPTGeminiは、その総称の中にある具体的な製品にあたります。「対話型AI=ChatGPT」と一つの製品だけを思い浮かべると、全体像を取り違えてしまうので注意したいところ。

ビジネスでの使われ方

企業では、問い合わせ対応や社内向けのヘルプデスク、予約受付などに対話型AIを取り入れる動きが広がっています。24時間休まず一次対応ができ、よくある質問を自動でさばけるのが利点でしょう。人手が足りない窓口の負担を軽くする使い方が代表例です。

ただし、AIは事実と異なる内容をもっともらしく答えてしまうことがあります(ハルシネーション)。金額や契約にかかわる重要な回答は人が確認するといった線引きを決めておくと、安心して任せやすくなります。

Topic最初の対話プログラムがカウンセラー役だった、意外な理由

対話するAIの歴史は古く、初期の代表例が1966年にMITのワイゼンバウムが発表した「ELIZA(イライザ)」です。心理カウンセラーをまねて、利用者の発言をそのまま質問にして返すだけの単純な仕組みでした。では、なぜカウンセラー役なのか。論文が挙げる理由は思いやりではなく実装の都合で、カウンセラーとの面談は、聞き手が世の中のことをほとんど知らない立場をとっても成り立つ、数少ない会話の型だから。「長い船旅に行ってきた」に「船について聞かせてください」と返されても、私たちは相手が船を知らないとは思いません。つまりこの台本なら、現実世界の知識をプログラムに持たせずに済むわけです。それでもワイゼンバウムは、ELIZAが人間ではないと納得させるのがとても難しい相手もいた、と書き残しました。この現象はのちにELIZA効果と呼ばれます。受け答えの自然さと、中身の知識の量は別のもの。AIを選ぶときは、2つを分けて見たいところです。

対話型AIに関するよくある質問

対話型AIと「AIエージェント」は何が違うのですか?
Anthropicが公開している技術記事は、あらかじめ決められた手順どおりにAIと道具を動かす仕組みを「ワークフロー」、AIが自分で手順や道具の使い方を決めて進める仕組みを「エージェント」と呼び分けています。対話型AIは、こちらが聞いたことに答える受け身の形が基本。エージェントはそこから一歩進み、目的を渡すと自分で段取りを組みます。同じ記事は「エージェント的な仕組みは、成果と引き換えに待ち時間と費用を差し出すことが多い」とも書いており、何でもエージェントにすればよいわけではありません。
社内の資料にもとづいて答えさせるには、どうすればいいですか?
手元の資料を検索してAIに渡し、それを見て答えさせるやり方が基本です。先ほどのAnthropicの記事も「多くの用途では、検索と、文脈に入れる例示によって1回のやり取りを磨けば、たいてい十分」と述べています。凝った自動化の仕組みを組む前に、まず参照させる資料と渡し方を整える。これが費用対効果の高い順序です。
同じことを聞いても、答えが毎回少し違うのはなぜですか?
そういう作りだからです。Microsoftの技術文書は「生成AIのモデルは独自の内容を作るように設計されているので、同じ入力に対して同じ出力を返さない」と明記しています。答えを少しずつ確率で選んでいくため、毎回まったく同じにはなりません。裏を返せば、決まった文言を必ず返してほしい場面(規約の案内や金額の回答など)は、AIに丸投げせず定型文を返す作りにしておくほうが安全です。

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