Bard(バード)とは
Bardとは、Googleが2023年に公開した対話型AI(チャットボット)で、いまのGeminiの、前の名前です。質問に文章で答えたり、文章づくりを手伝ったりするサービスでした。2023年2月6日に発表され、同年5月に日本語でも使えるようになりました。2024年2月8日に名前がGeminiへ変わり、Bardという名前のサービスはもうありません。
発表から約1年で、名前がGeminiに変わった
Bardの発表は、ChatGPTの公開(2022年11月30日)から約2か月後のこと。Googleは当時これを「試験的な対話AIサービス」と呼び、まず限られたテスターに使ってもらうところから始めています。その後はどう動いたのか。Googleの発表文でたどります。
- 2023年3月21日:米国と英国で、順番待ちの受付を始める
- 2023年5月:順番待ちをやめ、180を超える国と地域へ広げる。日本語と韓国語に対応
- 2023年12月6日:中身のAIをGemini Proに入れ替える(まず英語から)
- 2024年2月8日:名前をGeminiに変える
この間に、Bardを動かすAI(大規模言語モデル)は3つ使われました。最初はLaMDAの軽量版。2023年5月の発表の時点ではPaLM 2に、同年12月からはGemini Proに替わっています。改名の理由についてGoogleは、Bardは自社のAIにじかに触れてもらうための窓口で、そのAIの名前がGeminiになったので、サービスの名前もそろえた、と説明しています。
お披露目で間違えた、というのは本当?
本当です。ただし、間違いがあったのは発表会の実演ではなく、Googleが発表の日に公開した宣伝用の動画の中でした。動画のBardは、「9歳の子に話せる、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の新しい発見は?」という質問に3つの答えを返し、その3つ目で、太陽系の外にある惑星を初めて撮影した、と述べています。NASAの資料によれば、太陽系の外の惑星が初めて直接撮影されたのは2004年で、撮ったのは南米チリにあるヨーロッパ南天天文台の望遠鏡です。
英BBCの報道によると、この誤りは天文学者たちがSNSですぐに指摘しました。2日後の2023年2月8日、Googleの親会社アルファベットの株価は7%あまり下がり、時価総額が約1,000億ドル減っています。同じ記事は、Googleが開いた発表会が投資家の期待に届かなかったことも伝えており、下落の理由を動画の誤りだけに求めることはできないでしょう。
Googleは翌月の公開のとき、Bardが観葉植物の学名を間違えた例を自ら発表文に載せています。言語モデルを使うAIは、誤った内容を自信ありげに示すことがある、という断りつきでした。答えをGoogle検索で確かめるためのボタンを付けたのも、このとき。AIがもっともらしく間違える現象は、ハルシネーションと呼ばれます。
Topic公開を知らせる記事は、Bardが下書きを手伝っていた
2023年3月21日、Googleは米国と英国でBardの受付を始めました。それを知らせる記事の終わりに、この記事を書くのをBardも手伝った、という一節があります。構成の案を出し、手直しも提案したとのこと。いつも正しかったわけではない、とも書かれています。記事の締めくくりとしてBardが出した案はうまくはまらなかったものの、水分をとって野菜を食べるよう思い出させてくれた、と画像の説明にありました。記事の最後の一言は「Bard out!」。
Bardに関するよくある質問
- いまBardのアドレスを開くと、どうなりますか?
- Geminiのページへ自動で移ります。以前のアドレス(bard.google.com)は、2026年10月の時点でGeminiのアドレスへ転送される設定になっています。名前が変わった2024年2月8日の発表でGoogleは、Geminiが40を超える言語、230を超える国と地域で使えると説明しました。
- Bardは、Google検索に代わるものとして出されたのですか?
- Googleの説明では、代わりではありません。2023年3月の公開時の記事は、Bardを「Google検索を補う体験」と位置づけています。あわせて、検索そのものにも言語モデルを組み込んでいく考えを示していました。