看護記録AIとは

看護記録AIとは、看護師の会話や入力情報を文字にし、看護記録の下書き、要約、項目分け、蓄積記録の分析を支援するAIの総称です。記録を自動で確定するのではなく、AIが作った案を看護師が確認・修正して正式記録へ反映する使い方が基本です。

会話から看護記録案ができるまで

音声型では、患者と看護師の会話や観察内容を文字起こしAIが文章へ変換。生成AIが内容を要約し、主観的情報、客観的情報、評価、計画を分けるSOAP形式などへ整理します。看護師が患者、数値、薬剤、時刻、経過を原情報と照らし、直した後にAI電子カルテへ登録する流れです。

誤りは二段階で起こり得ます。音声認識が言葉を聞き違える場合と、生成AIが記録にない関係を補ってしまう場合です。たとえば似た薬剤名の取り違えと、観察していない症状の追加では、別々の点検が必要。音声、文字起こし、AI案、確定記録を追える状態にすると、原因の切り分けが可能です。

病院経営で先に決めること

  • 録音する場所と、患者への周知・同意の手順
  • 音声と文字データの保存先、学習利用、削除期限
  • AI案の最終確認者と、電子カルテへ確定する権限
  • 誤記録、通信障害、機器故障が起きたときの代替手順

国内病院では、AI看護記録の利用について患者へ包括同意を案内し、不同意でも診療上の不利益はないと明示する例があります。医療情報を扱うため、2026年6月公開の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第7.0版」も確認対象です。導入効果は入力時間だけでなく、修正時間、記録漏れ、患者と向き合えた時間、インシデントまで同じ病棟で測る視点が欠かせません。

Topic「書く」より、書いた後に効いた事例

厚生労働省が中央社会保険医療協議会(2025年11月5日・第624回総会)へ示した看護業務効率化の事例集には、電子カルテに記載済みの看護記録をAIが解析し、入院患者の転倒・転落リスクを評価する仕組みが載っています。報告された効果は、リスク判定に要する時間が患者1人あたり5分から0分へ転倒・転落インシデントの報告件数が導入前460件から導入後284件へ。個々の病院の先進事例として集められた数値ですが、記録を書く時間を縮めるだけでなく、書いた記録を次の安全行動へつなげた例です。

看護記録AIに関するよくある質問

看護記録AIは看護師の代わりに記録を確定しますか?
AIが作るのは記録案です。患者、数値、薬剤、時刻、観察内容を看護師が原情報と照合し、修正してから正式記録へ反映します。
看護記録AIを使うとき患者の同意は必要ですか?
録音や情報処理の方法、医療機関の運用、適用法令によって必要な手続きが変わります。導入前に患者への周知・同意、不同意時の対応を院内で決めます。
看護記録AIの効果は入力時間だけで測れますか?
入力時間だけでは不十分です。AI案の修正時間、記録漏れ、患者対応時間、インシデント、障害時の負担も同じ病棟と期間で確認します。

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