01.AI(ゼロワンエーアイ)とは

01.AIとは、元Google中国の責任者で著名なAI研究者のカイフー・リー(李開復)氏が、2023年に北京で設立した中国のAI企業です。大規模言語モデル「Yi(イー)」シリーズで注目を集めましたが、2025年に自社で巨大なモデルを作る路線を改めました。今は、企業や政府のAI導入を支援する事業が中心です。

中国語表記:零一万物

Yiシリーズは、何で注目された?

2023年11月には、重みを公開したモデル「Yi-34B」を出し、同社によるとHugging Faceのランキングで首位に立ちました。2024年10月のYi-Lightningは、米カリフォルニア大学バークレー校のチームが運営する目隠し比較のランキング(Chatbot Arena)で、xAIのGrok-2と並ぶ6位に入っています。李氏の説明では、学習に使ったGPUは2,000基、期間は1か月半、費用は約300万ドル(2024年10月時点の説明)。巨額を投じる米国勢に対し、安く作って上位に食い込むのが同社の売りでした。

2025年に、何が変わった?

Yi-Lightningを発表した2024年10月16日、李氏は「事前学習は決して諦めない」と公言していました。ところが3か月後の2025年1月、中国メディア36Krの取材に対し、超大型モデルの学習は大株主のアリババが主導する共同研究所に任せ、自社は小さく速く、商売になるモデルに絞ると説明します。今後の学習はYi-Lightningの規模を超えないとも明言しました。理由に挙げたのは、ますます大きなモデルを学習させる道は巨大IT企業にしか払えない、というコストの現実です。2025年3月には香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストの取材で、中国DeepSeekのモデルを「主力の賭け」に据え、金融・ゲーム・法律などの顧客向けに調整して納めると語りました。

2026年9月時点の公式サイトが主な事業に掲げるのは、経営者の意思決定を支える「TrueNorth」(2026年7月発表)、企業向けの大規模言語モデル基盤、カザフスタンと組む国家のためのAI(ソブリンAI)などです。モデルを作る会社から、他社のモデルも使って企業に届ける会社へ。新興企業が独自の巨大モデルを持ち続ける難しさを映す動き、といえるでしょう。

Topic「零一万物」は、0と1から万物へという宣言

中国語の社名は「零一万物(リンイーワンウー)」。2023年7月に新会社の名前を公表した際、李氏は、「零一」は01、つまりコンピューターが使う0と1のデジタルの世界を表し、ゼロから1を生み、さらには宇宙の万物にまで至るという意味だと説明しました。添えた言葉は「零一智能,万物賦能」。0と1の知能で、あらゆるものに力を与えるという志です。英語の社名「01.AI」とウェブサイトのアドレスも、この「01」をそのまま使っています。

01.AIに関するよくある質問

Yiのモデルは、今も使えますか?
重みが公開されたYiは、GitHubやHugging Faceから今もダウンロードできます。GitHubの説明では、コードと重みはApache 2.0という利用条件で配布され、商用でも無料です(公開当初の2023年11月は独自の利用規約でした)。ただし、Hugging Faceの同社ページで最も新しく登録されたモデルは2024年8月のYi-Coderです(2026年9月時点)。李氏は2025年1月に、今後の学習はYi-Lightningの規模を超えないと述べており、新しく採用するなら改良が続く前提では考えないほうが安全です。
創業者の李開復(カイフー・リー)氏は、どんな人物ですか?
米カーネギーメロン大学で博士号を取った研究者出身の経営者です。Microsoftでは副社長としてアジアの研究拠点(Microsoft Research Asia)を立ち上げ、GoogleではGoogle副社長兼大中華区総裁を務めました。2009年に投資会社の創新工場(Sinovation Ventures)を創立し、01.AIはその創新工場が2023年に立ち上げた会社です。2026年9月時点の公式サイトでも、01.AIの創業者兼CEOとして紹介されています。

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