NVIDIA NIMとは

NVIDIA NIMとは、学習済みのAIモデルを「すぐ動かせる状態」に箱詰めして配る、NVIDIA社のソフトウェア部品です。企業が生成AIを自社のサーバーやクラウドへ手早く組み込めるようにする仕組みで、2024年3月のGTC(NVIDIAの技術イベント)で発表されました。難しい環境設定を肩代わりし、AIを動かすまでの準備を短くするのが狙いになっています。

英語表記:NVIDIA Inference Microservices(NIMの正式名称=推論用マイクロサービスの意)

モデルを「箱ごと」配るコンテナ方式

NIMの中身は、AIモデルと、それを動かすのに必要な部品をひとまとめにしたコンテナ(アプリを必要なものごと箱詰めして持ち運べる形式)です。箱を置くだけで動くため、面倒な環境構築の手間を大きく減らせます。呼び出し方はOpenAI互換のAPIを採用しており、すでにChatGPTのAPI向けに書いたプログラムを、ほぼ書き換えずに差し替えられるよう配慮されている点も実務では助かるでしょう。内部の高速化にはTensorRTなどNVIDIAの推論技術が使われています。

自前で組むより速い、という立ち位置

AIモデルを動かす(推論=学習済みAIに実際に答えを出させる処理)には、本来、環境設定やバージョン合わせ、速度の調整など専門的な作業が欠かせません。NIMはそこを肩代わりし、準備に数週間かかっていた工程を数分に縮められるとNVIDIAは説明しています。データセンターの大型サーバーから、手元のRTX搭載パソコンまで同じ箱が動くのも特徴です。位置づけとしては、企業向けのNVIDIA AI Enterpriseという製品群の一部にあたります。

TopicOpenAIの公開モデルも、NIMの箱で配られている

NIMで配られるのは、NVIDIA製のモデルだけではありません。対話AIで知られるOpenAIが公開した生成AIモデル「gpt-oss」も、そのままNVIDIA NIMの形で動かせるよう提供されています。各社がモデルの性能を競い合う一方で、それを動かす土台のインフラはNVIDIAが広く押さえている。そんな構図が垣間見える一例でしょう。

NVIDIA NIMに関するよくある質問

NVIDIA NIMを使うにはNVIDIA製のGPUが必要ですか?
はい。NIMはNVIDIAのGPU上で動くことを前提にした仕組みです。クラウド事業者が貸し出すGPUでも、手元のRTX搭載機でも使えます。
ChatGPTのような対話サービスとは何が違いますか?
ChatGPTは利用者が直接使う完成サービスで、NIMは企業が自分のシステムにAIモデルを組み込むための部品です。表に出る製品ではなく、開発者が裏側で使う基盤にあたります。

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