NPUとは
NPUとは、AIの頭脳にあたるニューラルネットワークの計算に特化した、専用プロセッサです。スマートフォンやパソコンに組み込まれ、少ない電力でAIの処理をこなす役割を担います。AIアクセラレータ(AI計算用の専用ハードの総称)の一種で、とりわけ手元の端末の中で動くものを指すことが多い言葉です。
英語表記:Neural Processing Unit
CPU・GPUと手分けして働く
パソコンやスマホには、何でもこなすCPU、映像やゲームに強いGPUが載っています。そこへ新たに加わったのがNPUです。NPUはAIの計算だけを、少ない電力で黙々とこなすのが持ち味。たとえばWindowsは、作業の内容に応じてCPU・GPU・NPUへ仕事を振り分け、適材適所で処理します。NPUの実力は、TOPS(毎秒に何兆回の計算ができるかを示す単位)という物差しで語られることが多いでしょう。
GPUとは何が違うのか
同じAI計算用でも、GPUとNPUの役割は別物です。GPUは大量のデータを一気にさばく力仕事向きで、消費電力も大きめ。対してNPUは、省電力でAIを動かし続けるのに向いています。スマホで写真を自動で仕分けしたり、通話の雑音を消したりといった、ふだん使いのAIを電池の減りを気にせず回せるのが強みでしょう。大がかりなAIの学習はGPUやデータセンター向けのチップ、身近な端末の処理はNPU、と覚えておくと分かりやすいかもしれません。
次のパソコン選びに関わってくる
NPUは、これからの端末選びに直結します。2024年、マイクロソフトは40 TOPS以上のNPUを積んだパソコンを「Copilot+ PC」と名づけ、新しい目安を打ち出しました。NPUがあれば、データを外部のクラウドに送らず、手元の端末の中だけでAIを動かせます。クラウドの利用料を抑えられ、社外秘の情報を外に出さずに済むのは、企業にとって見逃せない利点です。社員のパソコンを入れ替えるとき、NPUの有無は確認しておきたい項目になります。
Topicあなたのスマホにも、もう入っている
「AIチップ」は最近の流行のように見えて、実は身近な端末にずっと前から入っていました。アップルは2017年のiPhone(A11 Bionicというチップ)に、すでにNPUの一種「Neural Engine」を載せています。顔認証や写真の被写体認識を、端末の中だけで処理していたのです。これはChatGPTの登場(2022年)より5年も前のこと。多くの人が「AIの時代が来た」と感じるよりずっと早く、ポケットの中の端末にはAI専用の回路が宿っていました。
NPUに関するよくある質問
- 自分のパソコンやスマホにNPUは入っていますか?
- 最近の機種なら入っていることが多いです。Windowsのパソコンは、タスクマネージャーのパフォーマンス画面でNPUの欄があるか確認できます。マイクロソフトが定めた「Copilot+ PC」は40 TOPS以上のNPUを積んでいます。
- NPUがあると、具体的に何ができますか?
- ビデオ会議の雑音除去、写真の自動仕分け、文章の要約や画像の加工などを、インターネットにつながなくても端末の中で動かせます。クラウドに頼らない分、反応が速く電池も長持ちしやすいです。
- NPUを使うのに追加料金はかかりますか?
- NPUはパソコンやスマホに最初から組み込まれた部品なので、本体を買えば追加料金なく使えます。端末内で処理するため、クラウドAIのような使った分だけの従量課金も発生しません。