並列処理とは

並列処理とは、たくさんの計算を同時並行で進める処理のやり方のことです。仕事を1つずつ順番にこなす「逐次(直列)処理」と対になる考え方で、大きな問題を独立した小さな部分に分け、複数の処理装置が同時に解きます。AI、とくに深層学習が巨大なモデルを現実的な時間で学習できるのは、この並列処理のおかげです。

なぜAIに並列処理が欠かせないのか

大規模なニューラルネットワークの学習では、膨大な数の掛け算(行列計算)を繰り返します。これを1つずつ順番にやっていては、いつまでも終わりません。そこで活躍するのがGPUです。GPUは同じような計算を一度に大量にこなす「データ並列」が得意で、AIの学習にうってつけ。膨大な訓練データから巨大なモデルを育てられるのは、並列処理という土台があってこそ、といえます。なお、単体の装置をひたすら速くする方法は2004年ごろに発熱の壁にぶつかり、以後は複数の処理装置で分担する流れが主流になりました。

Topic「1語ずつ」から「いっぺんに」が生成AIを生んだ

AIが一気に賢くなった裏には、並列処理との相性があります。2017年6月にGoogleの研究者が発表した論文「Attention Is All You Need」のTransformerは、文章を先頭から1語ずつ順番に処理していた従来のRNNと違い、すべての単語を同時に処理できました。これがGPU上での学習を劇的に速くし、巨大な言語モデルLLM)が成り立つ土台になったのです。「1語ずつ」から「いっぺんに」への転換が、いまの生成AIを静かに支えています。

並列処理に関するよくある質問

並列処理と逐次(直列)処理はどう違いますか?
逐次処理が仕事を1つずつ順番にこなすのに対し、並列処理は大きな問題を独立した小さな部分に分け、複数の処理装置が同時に解きます。大規模なAIの学習では膨大な掛け算を繰り返すため、同じ計算を一度に大量にこなせるGPUによる並列処理が欠かせません。
並列処理はなぜ生成AIの登場につながったのですか?
2017年に発表されたTransformerは、文章を先頭から1語ずつ処理していた従来のRNNと違い、すべての単語を同時に処理できました。これがGPU上での学習を劇的に速くし、巨大な言語モデル(LLM)が成り立つ土台になりました。「1語ずつ」から「いっぺんに」への転換が、いまの生成AIを支えています。