用語 基本

特化型AIとは

特化型AIとは、特定の決まったタスクだけをこなすAIのことです。何でも自在に考えられるAGI(汎用人工知能)と対になる考え方で、「弱いAI」とも呼ばれます。囲碁や画像の判別、音声の聞き取りなど、決まった役割にしぼって力を発揮するタイプ。

身近なAIの多くは特化型

特化型AIは、ひとつの目的に絞って設計されています。自動運転、囲碁のAlphaGo、音声認識、医療診断の支援、商品のレコメンドなど、身のまわりのAIの多くがこの特化型です。決まった土俵では人間を上回ることもありますが、その土俵の外では力を出せないのが持ち味でもあり、限界でもあります。

ChatGPTは特化型AIなのか

特化型AIと対になるのが、人間のように分野を問わず考えるAGI(汎用人工知能)です。では、文章も要約も翻訳もこなすChatGPTはどちらなのか。実はここ、専門家の間でも整理が分かれるところです。

Google DeepMindの研究チームが2023年11月に示した分類は、AIを「能力の深さ5段階」と「守備範囲(特化型か汎用か)」の2つの軸で並べたものでした。そこでChatGPTなどの対話型AIは、特化型の列ではなく汎用の列に、しかもいちばん下の段に置かれています(2023年9月時点の評価)。幅は出てきたけれど深さがまだ足りない、という読み方です。「すべて特化型」と言い切るより、幅の広い側へ動き始めた段階、と捉えるほうが実情に近いでしょう。

とはいえ、多くの人がAGIという言葉で思い描いてきた水準(同じ分類の下から2段目)には、まだどのシステムも届いていません。学んだことを人間のように別の分野へ自在に応用するには、まだ距離があります。

ビジネスでの向き合い方

特化型だからこそ、ビジネスでは使いやすい面もあります。目的が決まっているぶん、その仕事の精度を高めやすく、導入の効果も測りやすいからです。「何でもできる魔法のAI」を待つより、自社の特定の業務に効く特化型AIを選ぶほうが、現実的な一歩になります。

Topic得意な土俵を外れると、もろい

特化型AIには、知っておきたい弱点があります。得意な土俵では人間以上でも、学習していない想定外の状況に出くわすと、思わぬ失敗をすることがあるのです(専門的には「脆さ」と呼ばれます)。だからこそ医療や自動運転のように失敗が許されない分野では、AIに任せきりにせず、人間が見守る仕組みが欠かせません。

特化型AIに関するよくある質問

囲碁のAlphaGoは人間より強いのに、なぜ「特化型」なのですか?
強さと守備範囲は別の軸だからです。Google DeepMindの研究チームの分類も、能力の深さと守備範囲の広さを2軸に分けています。AlphaGoは囲碁という1つの土俵では「熟練した大人の上位1%」にあたる段に置かれていますが、その土俵の外では何もできません。特化型という呼び方は、深さではなく幅について言っています。
身近な特化型AIにも、能力の差はあるのですか?
あります。同じ分類では、スマートスピーカーの音声アシスタント(SiriやAlexa、Googleアシスタント)が「熟練した大人の上位半分」、文章校正のGrammarlyや画像生成のDALL·E 2が「上位10%」、チェスのDeep Blueと囲碁のAlphaGoが「上位1%」、タンパク質の立体構造を予測するAlphaFoldが「すべての人間を上回る」段に置かれています。同じ特化型でも、どの段にいるかで任せられる仕事はまるで違います。

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