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ISO/IEC TR 24029-1とは

ISO/IEC TR 24029-1とは、ニューラルネットワークの頑健性評価について、全体像と考え方を整理するISO/IECの技術報告書です。

正式名称・英語表記
ISO/IEC TR 24029-1:2021
Artificial Intelligence (AI), Assessment of the robustness of neural networks, Part 1: Overview
読み方: アイエスオー アイイーシー ティーアール によんぜろにきゅう の いち

なぜ経営で重要か

AIが少し条件を変えただけで誤った判断をするなら、業務適用後の事故や説明責任の問題につながります。頑健性は、入力データの揺れ、ノイズ、想定外の状況に対して、AIの判断がどれだけ崩れにくいかを見る観点です。

ISO/IEC TR 24029-1は、ニューラルネットワークの頑健性を評価する前提をそろえるための資料です。経営層にとっては、AIの精度だけでなく「運用中にどの条件で壊れやすいか」を調達、監査、リスク管理で確認する足場になります。

24029系列での位置づけ

この文書はPart 1であり、概要を扱う位置づけです。より形式手法に寄せた評価方法はISO/IEC 24029-2の範囲です。実務では、まずISO/IEC TR 24029-1で論点をそろえ、必要に応じてISO/IEC 24029-2のような具体的な評価方法へ進む流れが自然でしょう。

たとえば顧客対応、与信、需要予測、画像検査などでAIを使う場合、平均精度だけを見ても十分ではありません。特定の入力条件で急に性能が落ちるなら、現場の例外対応、監視、利用停止基準を先に設計する必要があります。

導入時に見るポイント

  • 評価対象がモデル単体なのか、業務システム全体なのかを分ける
  • 通常時の精度と、条件が乱れた時の振る舞いを別々に確認する
  • 頑健性が低い場合の人手確認、停止条件、再学習の責任者を決める

関連して、AI品質全体を見る場合はISO/IEC 25059、データ品質から見る場合はISO/IEC 5259-1ISO/IEC 5259-3も確認すると、モデルだけに責任を押しつけない設計にしやすくなります。

【Topic】Part 3も開発中

ISO公式作業計画では、24029系列のPart 3が統計的手法の評価として開発中です。2026年6月時点では、Part 1が概要、Part 2が形式手法という分担で読んでおくと、調達先との会話が整理しやすくなります。

ISO/IEC TR 24029-1に関するよくある質問

認証取得のために読む文書ですか?
第三者認証の申請書というより、AIがどの条件で崩れやすいかを社内で議論するための参照資料です。調達前の質問票づくりに向きます。
AIの精度評価と何が違いますか?
精度評価は通常の入力に対する正しさを見ます。頑健性評価は、入力が少し乱れた時や想定外に近い条件で、判断がどれだけ崩れにくいかを確認します。
経営判断ではどこに使えますか?
AI調達、PoC終了判定、監査項目、運用停止基準の設計に使えます。平均精度だけで本番化を決めないための確認軸になります。

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