ISO/IEC 24029-2とは
ISO/IEC 24029-2とは、ニューラルネットワークの頑健性を、形式手法という数理的な方法で評価するためのISO/IEC規格です。
正式名称・英語表記
ISO/IEC 24029-2:2023
Artificial intelligence (AI), Assessment of the robustness of neural networks, Part 2: Methodology for the use of formal methods
読み方: アイエスオー アイイーシー によんぜろにきゅう の に
形式手法とは何をするものか
形式手法は、システムが特定の条件を満たすかを数学的に確かめる考え方です。AIの文脈では、ニューラルネットワークが入力の小さな変化に対して過度に不安定にならないかを、通常のテストとは別の角度から確認するために使われます。
ISO/IEC 24029-2は、この形式手法を頑健性評価に使う方法論を扱います。ISO/IEC TR 24029-1が全体像を整理する入口だとすれば、24029-2はより専門的な評価に踏み込む文書です。
経営層が押さえるべき判断軸
重要なのは、形式手法を「高度そうだから全部に入れる」と考えないことです。医療、金融、重要インフラ、品質検査など、誤判定の影響が大きい場面では検討価値があります。一方で、社内の軽い文章分類や低リスクな推薦では、費用や専門性に見合うかを先に判断するのが現実的です。
AIベンダーに確認する場合は、「頑健性をどの条件で評価したか」「通常テストと形式手法のどちらを使ったか」「限界条件をどう運用設計に反映したか」を聞くと、説明が実務に近づくでしょう。
他の標準との関係
AI品質全体の見取り図はISO/IEC 25059、データ品質はISO/IEC 5259-1やISO/IEC 5259-4、運用中の制御性はISO/IEC TS 8200と合わせて見ると整理しやすいでしょう。24029-2はその中でも、モデルの壊れにくさを深く見る位置づけです。
【Topic】統計的手法のPart 3
ISO公式作業計画では、24029系列に統計的手法を扱うPart 3も開発中です。2026年6月時点では、形式手法だけでなく統計的な確認も含めて、頑健性評価の選択肢が広がる流れにあります。
ISO/IEC 24029-2に関するよくある質問
- ISO/IEC 24029-2はどんなAI案件で重要ですか?
- 誤判定の影響が大きいAI案件で重要です。医療、金融、品質検査、重要インフラなどでは、通常の精度テストに加えて頑健性の確認が求められやすくなります。
- 形式手法は普通のテストと違いますか?
- 違います。普通のテストは用意した入力例で動作を見ます。形式手法は、特定の条件や範囲について数理的に性質を確認する発想です。
- 導入企業は何を確認すればよいですか?
- ベンダーに、評価した入力条件、評価手法、限界条件、限界を超えた時の運用ルールを確認します。規格名だけでなく、実際の検証範囲を見ることが重要です。