ISO/IEC JTC 1/SC 42とは
ISO/IEC JTC 1/SC 42とは、人工知能(AI)分野の国際標準(世界共通のルールや基準)を作るために設けられた、ISOとIECの専門委員会のことです。2017年に設置が決まり、AIマネジメントシステムの規格として知られるISO/IEC 42001をはじめ、AIに関する数々の国際規格を生み出してきた「本家」にあたる組織になります。
英語表記:ISO/IEC JTC 1/SC 42(担当分野はArtificial intelligence)
どんな委員会か
名前が記号だらけで身構えますが、分解すると意味は単純です。ISOは国際標準化機構、IECは国際電気標準会議という、世界の標準づくりを担う2大機関。その合同チーム(JTC 1)の中で、AIを専門に受け持つ小委員会(SC 42)という関係になります。ここが土台となる用語の定義から、リスク管理の進め方、組織の運用ルールまでを国際規格として整える。たとえばAIリスクマネジメントのISO/IEC 23894、AIの用語を定めたISO/IEC 22989なども、すべてこの委員会が母体です。米国のNIST AI RMFが各国の枠組みなら、SC 42はそれらと並ぶ「国際標準」を束ねる場、と捉えるとよいでしょう。経営の視点では、罰則の話ではなくAIを安心して事業へ取り入れるための共通のものさしを作る場所と理解しておけば十分です。
Topic「42」という番号が示す、AI標準の若さ
末尾の「42」は、JTC 1にぶら下がる小委員会の通し番号です。すぐ隣のSC 41はモノのインターネット(IoT)を担当しており、AIのSC 42はそのあとに連なる新しい番号にあたります。実際、設置が決まったのは2017年で、ISOとIECにとっては初めてのAI専門の国際標準化委員会でした。番号ひとつ取っても、AIのルールづくりが世界規模で動き出したのが比較的最近だと分かる、ささやかな手がかりといえます。
ISO/IEC JTC 1/SC 42に関するよくある質問
- ISO/IEC 42001とSC 42は何が違いますか?
- SC 42はAIの国際規格を作る委員会(組織)で、ISO/IEC 42001はそのSC 42が作った規格の一つです。委員会が作り手、42001が成果物という関係になります。
- SC 42が作る国際規格には法的な強制力がありますか?
- 国際規格そのものに法的拘束力はなく、利用は任意です。ただし取引先の要件や各国の規制に取り込まれると、実質的に守るべき基準として効いてくることがあります。