ElevenLabs(イレブンラボ)とは

ElevenLabsとは、文章を人間に近い自然な話し声に変えるAI技術で知られる、2022年創業の音声AI企業です。ワルシャワ郊外で育ったポーランド出身の2人が立ち上げました。読み上げ(音声合成)や声の複製から、動画の吹き替え、電話窓口などで会話するAIエージェントまで手がけています。

何ができる?

中心となるのは、書いた文章を自然な声で読み上げる音声合成です。2026年9月28日に公開した「Eleven v4」は、公式ドキュメントによると日本語を含む90以上の言語に対応し、前世代のEleven v3(70以上)から対象を広げました。文中に「[excited, happy]」のような指示を書き込めば、弾んだ声や眠そうな声など、読み方の感情まで指定できます。

もう一つの柱が、特定の人の声を再現するボイスクローン(声の複製)。手軽な方式は1〜2分ほどの録音から、より本人に近い高品質な方式は30分〜3時間の録音から声を作ります。高品質な方式は自分の声しか作れず、公式ヘルプは「同意があっても他人の声は作れない」と明記しています。ほかに、動画の吹き替え、オーディオブック向けのナレーション、文字起こし、音楽の生成も提供中です。

会社では、どう使われている?

2026年2月の資金調達の発表によると、同社の年間経常収益(ARR)は2025年末時点で約3億3,000万ドルを超え、企業価値の評価額は約110億ドルに達しました。事業は、企業向けの会話エージェント基盤ElevenAgents、制作者向けのElevenCreative、開発者向けのAPIの3本柱です。顧客対応や社内研修に音声エージェントを使う例としてドイツテレコムや英Revolut、ウクライナ政府を挙げ、語学アプリのDuolingoや米誌TIMEはコンテンツを多言語に展開するのに使っています。日本企業にとっても、研修動画のナレーション、問い合わせ窓口の自動音声、海外向け動画の吹き替えといった、外注してきた音声の仕事を社内で試せる選択肢といえるでしょう。同社は東京にも拠点を置いています。

会社で使うとき、何に気をつける?

同社の禁止事項のポリシーは、同意や法的な権利なしに他人の声を意図的に再現することに加え、AIが作った声であることを隠して人をだます使い方も禁じています。誰の声を、どんな許可のもとで、どこまで使うのかを先に決めておく。社内のルールづくりは、そこから始めるとよいでしょう。

Topicロゴの「11」は、一時停止ボタンでもある

ElevenLabsのロゴマークは、縦線を2本並べただけのシンプルな「11」です。公式のブランドガイドによると、この印は社名のEleven(11)を表すと同時に、音声を聴いているときに目にする一時停止ボタンもさりげなく表しています。同じガイドは、ElevenとLabsの間に空白を入れた「Eleven Labs」や、すべて大文字の書き方を避けるべき表記として挙げています。社名は、空白なしの「ElevenLabs」が正式です。

ElevenLabsに関するよくある質問

声優やナレーターの仕事は、なくなるのですか?
同社は、声の持ち主が自分の声を登録して貸し出し、使われるたびに報酬を受け取る「ボイスマーケットプレイス」を運営しています。公式ブログによると、2026年5月時点で1万400人を超える人が報酬を得ており、支払いの累計は約2,200万ドルを超えて半年で倍になりました。用途などの条件は声の持ち主が決め、許可を取り消す仕組みもあります。一回きりの収録料ではなく、使われた分だけ受け取るという新しい稼ぎ方が広がりつつあります。
無料で使えますか?
無料プラン(月額0ドル)があり、読み上げや文字起こし、効果音などを試せます。ただし公式の料金表では、商用利用の権利と手軽な声の複製は、有料のStarter(月額約6ドル・2026年9月時点)から含まれます。社内の試作は無料でも、社外に出す動画や音声に使うなら有料プランが前提です。

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