Documentation Keeping (AI Act)とは
Documentation Keeping (AI Act)とは、EU AI法で高リスクAIシステムの提供者に求められる文書保管義務です。2026年7月時点の法令本文では、上市または使用開始後10年まで、当局が確認できる状態で文書を保つことが定められています。
英語表記:Article 18: Documentation keeping
残すべきものは技術資料だけではない
Documentation Keeping (AI Act)の対象には、技術文書(Technical Documentation (AI Act))に加えて、品質管理のしくみ(Quality Management System (AI Act))に関する文書、Notified Body (AI Act)が関わった場合の承認や決定、EU Declaration of Conformity (AI Act)などが含まれます。
つまり、ソースコードやモデルの説明だけを残せば足りるわけではありません。そのAIをなぜ適合していると判断したのかを、後から第三者へ示せる形にする義務です。
経営上は証跡管理の問題
文書保管は法務部門だけの作業に見えますが、実際には開発、品質保証、営業資料、契約、バージョン更新の記録まで関係します。誰が最新版を承認し、どの文書が顧客提出版で、どれが当局対応用かを決めておかないと、監査時に混乱します。
EU向け高リスクAIシステムを扱うなら、文書を作る担当と、保管期限まで維持する担当を分けて決めるのが現実的です。退職や外注先変更で証跡が消えるリスクも見ておく必要があります。
Topic10年残すのは「最新版」だけではない
Article 18は、技術文書だけでなく、品質管理システム文書、Notified Bodyの決定、EU適合宣言なども保管対象にしています。AIモデルを更新する会社ほど、最新版だけを残す運用では足りません。いつ、何を根拠に適合と判断したかを追える状態が重要です。
Documentation Keeping (AI Act)に関するよくある質問
- 文書保管はPDFを保存しておけば十分ですか?
- PDF保存だけでは不十分になりがちです。どの版が正式版か、誰が承認したか、どのAIバージョンに対応するかまで追える管理が必要です。
- 10年保管の対象は技術文書だけですか?
- いいえ。技術文書のほか、品質管理、外部評価機関の文書、EU適合宣言なども関係します。社内の保管ルールを広めに設計する必要があります。