共通仕様とは
共通仕様とは、EU AI Actで高リスクAIや一部の汎用AIモデルが要件を満たすために使える、欧州委員会の共通仕様です。2026年6月時点では、標準化団体による整合規格(Harmonised standards)が間に合わない、または十分でない場合の代替ルールとして位置づけられます。
- 英語原名: Common specifications
- 日本語補足: EU AI Actにおける共通仕様
- 根拠制度: EU AI Act Article 41
- 確認時点: 2026年6月時点
標準が足りない時の代替ルール
EU AI Actでは、本来は整合規格に沿うことで適合を示しやすい仕組みです。ところが標準化団体が依頼を受けない、期限内に出せない、基本的権利への懸念を十分に扱えない、といった場面があります。その穴を埋めるために使われるのが共通仕様です。
企業側から見ると、これは「規制当局が示す最低限の通訳表」のようなものです。技術チームだけで読み解く仕様ではなく、法務、品質保証、事業責任者が同じ前提で適合性評価を準備するための材料といえます。
ビジネスでの見方
共通仕様に合っていれば、対象範囲では要件に適合していると推定されやすくなります。ただし、使わない選択も完全に禁止されるわけではありません。その場合は、同等水準の技術的解決策を採った理由をきちんと説明できる状態にしておく必要があります。
Topic標準がない時だけの非常口
共通仕様は、通常の標準を置き換える万能カードではありません。EU AI ActのArticle 41は、標準が届かない、遅れる、基本的権利の観点で足りない、といった条件がそろった時に欧州委員会が使えるルートとして設計しています。
共通仕様に関するよくある質問
- 共通仕様に沿えば監査は不要になりますか?
- 不要にはなりません。要求事項に合うことを示しやすくなるだけで、証跡、責任分担、変更管理は別途確認されます。
- 日本企業はどの部署で確認すべきですか?
- EU向けAIを扱う場合は、開発部門だけでなく法務、品質保証、海外事業の責任者が同じ資料で確認するのが現実的です。
- 営業資料に「準拠」と書いてよいですか?
- 慎重に扱うべきです。準拠や適合と書く前に、どの要求事項、どの標準、どの共通仕様に基づく説明なのかを確認してください。