整合規格とは
整合規格とは、EUで「これに従えばAIの規制要件を満たしているとみなされる」標準のことです。EUのAI規制(EU AI法)の第40条が定める仕組みで、高リスクAIが適合性を示すための主要な近道になります。
英語表記:Harmonised standards(EU AI法 第40条)
従えば「適合とみなす」という法的なお墨付き
整合規格の最大の特徴は「適合性の推定」です。決められた規格に沿っていれば、規制の要件を一つひとつ証明しなくても、適合しているとみなしてもらえます。規格をつくるのは、欧州の標準化機関であるCEN・CENELECです。欧州委員会の要請を受けて整備し、その参照が官報に載って初めて効力を持つ仕組み。
強制ではなく「近道」
勘違いしやすいのは、整合規格に従うのは義務ではない点です。従わなくても、別の方法で要件を満たしていると示せば問題ありません。ただ、整合規格に沿うほうが手続きはずっと楽になるため、EU市場に高リスクAIを出す企業にとっては、いわば規制対応の「模範解答」として役立ちます。
Topic「整合(harmonise)」は27か国の基準をそろえること
整合規格の「整合」とは、加盟国ごとにバラバラだった技術基準を、EU全体で1つにそろえることを指します。一度この規格に沿えば、27か国どこでも通用するのが利点。AIのために生まれた制度ではなく、EUが単一市場を支えるために長年使ってきた標準化の仕組みを、AIにも広げたもの。
整合規格に関するよくある質問
- ISOなどの国際規格とは違うのですか?
- もとになる規格は国際規格と重なることもありますが、EUが官報に掲載して「適合性の推定」の効力を与えたものが整合規格です。EUの制度上の位置づけが加わる点が異なります。
- AI向けの整合規格はもう完成していますか?
- 欧州委員会の要請を受けて、CEN・CENELECが整備を進めている段階です。出そろうまでの間は、提供者が他の方法で要件への適合を示すことになります。