WeatherNext 3(ウェザーネクスト・スリー)とは

WeatherNext 3とは、リアルタイムの衛星観測などを取り込み、世界の天候を予測するGoogleAIモデルです。変化する空の情報を反映しながら、複数の起こり得る天気を計算する仕組みを備えています。

WeatherNext 3が衛星観測と気象解析から複数の予測を作り、人の業務判断につなぐ概念図

Google DeepMindとGoogle Researchが開発し、2026年8月31日に運用データの提供が始まり、9月3日に発表記事が公開されました。2026年9月時点の仕様として、予測の条件を確認する必要があります。

毎時更新と、15日先までの予測は別の条件

WeatherNext 3は、衛星の観測と気象解析を基に毎時新しい予測を始めます。WeatherNext 2と比べ、急に発達する雨雲などの変化を取り込みやすくする設計です。

ただし、15日先まで出すのは6時間ごとの主要な予測で、間の毎時予測は48時間先までです。「毎時更新」という表現だけで、すべての実行が同じ長さの未来を扱うと考えないでください。

出力の時間刻みも1時間単位。更新する頻度、何時間先まで計算するか、何時間ごとの結果を取り出せるかは、それぞれ別の設定として読み分けましょう。

「5km」は、すべての天気情報の細かさではない

公式は、観測所データで学習した地上付近の気温や露点の出力を約5kmの細かさで提供すると説明しています。露点は、空気を冷やしたときに水蒸気が水滴になり始める温度で、湿り具合を見る指標です。

一方、一般の地表の予測は約10km、上空の大気は約25kmの出力です。降水量や風速を含め、全項目を一律に5kmで予測するわけではありません。

出力が細かいことと、その地点の天気が必ず当たることも別です。店舗や発電所で利用するなら、必要な項目の空間的な細かさと、現地の観測に対する誤差を合わせて確認してください。

業務では、予測の幅をどう判断に使うのか?

発電や配送の計画では、天気を一つに決め打ちするより、外れた場合の余裕をどれだけ持つかが重要です。WeatherNext 3は64通りの予測を作り、あり得る変化の幅を扱います。

このように複数の予測を組み合わせる方式をアンサンブル予測と呼びます。一つの予測値だけでなく、悪天候へ振れた場合にも計画を保てるかを検討する材料です。

公式が挙げるのは、風力発電向けの地上100mの風や、太陽光発電に関係する日射、雲の情報など。たとえば発電量の変動に備える調達や、配送の余裕時間を考える際の入力候補になります。

予測を意思決定へつなぐには、対象地点、使う項目、予測の発行時刻をそろえます。後から得た情報を過去の判断に混ぜず、その時点で入手できた予測で評価することが、業務上の効果を測る基本です。

利用経路と、公的な警報との違い

公式発表によると、WeatherNext 3はGoogle検索、Googleマップ、Geminiアプリの天気表示にも使われています。導入を検討する前から、多くの人がこの予測を目にしているということです。アプリ開発向けにはGoogle Maps Platformの天気APIも案内されています。

一方、自社の計算へ数値をそのまま取り込む場合の取得先は、GoogleのBigQuery、Earth Engine、Cloud Storageです。これらはそれぞれデータ分析、地理空間分析、ファイル保存のためのサービスで、実務では利用申請や取得方法の確認が必要です。

データを取り出せても、配送を止める基準や発電計画まで自動的に完成するわけではありません。社内の判断ルールと責任者を決めたうえで、予測を補助情報として使う形になります。

WeatherNext 3の出力は、公的な警報や避難情報ではありません。人命や財産の保護に関わる場面では、気象当局や自治体などの正式な情報を優先してください。

Topic雨を学ぶための「ものさし」は一つではない

降水の学習には、気象解析に加えて、NASAの衛星に基づくIMERGやGoogle独自の衛星・レーダー由来の降水データが使われています。IMERGは衛星観測から降水量を推定するデータです。雨の予測を教える材料そのものにも異なる作り方がある、という点が興味深いところです。

WeatherNext 3に関するよくある質問

WeatherNext 2用の集計をそのまま流用できますか?
公式は変数名と降水量の積算間隔の変更を案内しています。たとえば雨量は6時間分から1時間分へ変わるため、日別合計を作る処理は足し合わせる刻みを点検してください。単にモデル名だけを置き換える移行は避けます。
専用アプリをインストールする必要がありますか?
WeatherNext 3は単体の天気アプリの名称ではありません。公開された予測をデータサービス経由で取得する利用では、利用者がモデルを自分で動かす必要はありません。目的に合うデータ提供経路を選びます。

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