ISO/IEC TR 24028とは

ISO/IEC TR 24028とは、信頼できるAI」とは何かを、性質ごとに整理して見取り図にした国際的な技術報告書です。2020年5月に発行されました。AIの信頼性を語るうえで、共通の言葉と考え方の土台になる文書といえます。

英語表記:Information technology – Artificial intelligence – Overview of trustworthiness in artificial intelligence

「信頼できる」を、確かめられる要素に分解する

「信頼できるAI」という言葉は、そのままでは漠然としています。この報告書は、その漠然とした信頼を透明性、説明可能性(なぜその判断をしたか説明できること)、制御可能性、安全性、セキュリティ、プライバシー、正確性といった性質に分け、一つひとつ確かめられる形に整理しました。「なんとなく信頼できる」ではなく、要素に分けて点検できるようにしたのが、この文書の役割です。AIの信頼性を考えるときの地図のようなものと捉えると分かりやすいでしょう。

後の議論や規格の出発点

この報告書は、その後に整えられた多くのAI規格やガイドラインの土台の一つになりました。経営の現場でも、AIを調達したり社内のAIガバナンスを整えたりするとき、「信頼性」という言葉を関係者が同じ意味で使うための共通言語として効いてきます。何をもって「信頼できる」とするかが人によってバラバラでは、議論がかみ合いません。その物差しをそろえる出発点になる一冊なのです。

Topic信頼性とは「検証できる形で期待に応えられること」

この報告書は、AIの信頼性を「検証できる形で、関係者の期待に応えられること」と定義しています。ポイントは「検証できる形で」という一句。雰囲気や評判で「なんとなく信頼できる」とするのではなく、確かめて裏づけられることを信頼の核に据えたわけです。信頼を感覚の問題から、点検できる対象へと引き寄せた定義だといえるでしょう。

ISO/IEC TR 24028に関するよくある質問

ISO/IEC TR 24027(バイアス)とどう違いますか?
24028が「信頼できるAI」全体の見取り図を示すのに対し、24027はその一要素であるバイアス(偏り)に絞って測り方を扱います。24028が地図、24027が個別テーマの掘り下げという関係です。
なぜ2020年という早い時期に作られたのですか?
AIの国際標準づくりの礎となった初期の文書の一つだからです。後続の多くの規格や議論が、ここで整理された信頼性の考え方を出発点にしています。

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