Anthropic(アンソロピック)とは

Anthropicとは、AIの安全性を重視するアメリカのAI企業で、対話型AIの「Claude(クロード)」を開発していることで知られます。ChatGPTを手がけるOpenAIと並ぶ、生成AIの主要なプレイヤーの一つです。2021年に設立された比較的新しい会社ながら、その動きはAI業界で広く注目を集めています。この会社を理解する鍵は、製品である「Claude」、掲げる「安全性」、そして独自の「憲法AI」という手法の3つにあります。

Anthropicを理解する3つの鍵(Claude・安全性・憲法AI)への枝分かれ図

元OpenAIのメンバーが設立

Anthropicは、2021年にOpenAIの元メンバーを中心に設立されました。ChatGPTが世に広まる少し前のことで、生成AIブームに乗って急ごしらえで生まれた会社ではありません。中心人物は、CEOのダリオ・アモデイ氏と社長のダニエラ・アモデイ氏の兄妹です。AIを安全で信頼できる形で発展させることを掲げ、安全性の研究を会社の軸に据えている点に大きな特徴があります。

利益の追求と社会的な使命の両立をめざす「公益企業(パブリック・ベネフィット・コーポレーション)」という形態をとっていることも、この会社の姿勢をよく表しているといえるでしょう。急成長するAI業界の中で、安全性をあえて前面に置くところに立ち位置の特徴があります。

主力製品は対話型AIの「Claude」

Anthropicの代表的な製品が、対話型AIのClaudeです。ここで混同しやすいのが、会社の名前(Anthropic)と製品の名前(Claude)の関係。OpenAIという会社がChatGPTを提供しているのと同じように、AnthropicがClaudeを提供している、と整理するとわかりやすいでしょう。

Claudeには、用途に応じて選べる種類があります。もっとも高性能なOpus、バランスのよいSonnet、速くて軽いHaikuの3つです。文章の作成や要約、プログラミングの補助などに使われ、2024年のClaude 3、2025年のClaude 4と世代を重ねながら改良が続いています。大きいモデルほど高性能な一方、速さや費用の面では軽いモデルが向く場面もあるため、用途に合わせて選ぶ形です。

ビジネスでの位置づけ

Anthropicは、OpenAIやGoogleと並ぶ大手の一角として、企業向けのAI活用を支える存在へと成長してきました。安全性や信頼性を前面に打ち出していることから、慎重な対応が求められる業務での採用も広がりつつあります。

ClaudeはWebブラウザやアプリのほか、自社システムに組み込むためのAPIでも提供されています。問い合わせ対応、文書の作成や要約、開発の補助など、企業の幅広い場面で使われており、どのAIを業務に取り入れるかを考えるうえで、有力な選択肢の一つになっているといえるでしょう。

TopicAIに「憲法」がある、という考え方

Anthropicを語るうえで欠かせないのが、Constitutional AI(憲法AI)という独自の手法です。Claudeは、あらかじめ書かれた原則の文書(いわば憲法)に沿うように訓練されており、そこには1948年の国連世界人権宣言から取り入れた考え方も含まれます。人が一つひとつ細かく手直しする代わりに、この原則に照らして自分の答えを見直させる、という発想です。興味深いのは、その「憲法」が年々ぶ厚くなっている点。2023年には約2,700語だった原則が、2026年には約23,000語にまで増えたといわれます。AIをどうふるまわせるかを言葉でていねいに定めていく、その積み重ねが垣間見えます。

Anthropicに関するよくある質問

AnthropicとClaudeの関係は?
Anthropicが会社の名前、Claudeがその製品(対話型AI)の名前です。OpenAIという会社がChatGPTを提供しているのと同じ関係だと整理すると分かりやすいでしょう。Claudeには高性能なOpus、バランスのSonnet、速くて軽いHaikuの3種類があります。
Anthropicは生成AIブームに乗って急にできた会社ですか?
いいえ。2021年にOpenAIの元メンバーを中心に設立された、ChatGPTが広まる少し前からの会社です。CEOのダリオ・アモデイ氏と社長のダニエラ・アモデイ氏の兄妹が中心で、利益と社会的使命の両立をめざす「公益企業(PBC)」の形をとり、AI安全性の研究を会社の軸に据えている点が特徴です。
憲法AI(Constitutional AI)とは何ですか?
あらかじめ書かれた原則の文書(いわば憲法)に沿うようClaudeを訓練する、Anthropic独自の手法です。原則には1948年の国連世界人権宣言から取り入れた考え方も含まれます。その「憲法」は年々ぶ厚くなっており、2023年に約2,700語だった原則が2026年には約23,000語にまで増えたといわれます。