帰納論理プログラミングとは
帰納論理プログラミングとは、いくつもの具体例から「なぜそうなるか」というルールを、AI自身に論理の形で学ばせる手法のことです。記号で知識を表す古典AI(記号AI)と、データから学ぶ機械学習の、ちょうど橋渡し役にあたります。述語論理の言葉で書かれるため、学んだ結果を人が読んで理解できる点が、この手法ならではの魅力でしょう。
英語表記:inductive logic programming(ILP)
人が読めるルールを学ぶ
仕組みはシンプルです。「当てはまる例(正例)」と「当てはまらない例(負例)」、そして前提となる背景知識を与えると、すべての正例を説明し、負例とは矛盾しない規則を組み立てます。今の生成AIが内部に膨大な数値を抱えて「なぜその答えなのか」を説明しにくいのに対し、帰納論理プログラミングは結果を人が読める論理規則として示せる。だからこそ、根拠の説明が欠かせない創薬やバイオの分野で活用されてきました。
Topicブラックボックスの逆をいく、「説明できるAI」の先駆け
今の生成AIは、中身が巨大な数値のかたまりで、判断の理由を人が読み解きにくい「ブラックボックス」になりがちです。帰納論理プログラミングはその対極で、学習の成果を「人が読める論理のルール」として差し出します。だから「なぜそう判断したのか」を示せないと困る医薬やバイオの研究で、古くから重宝されてきました。近年あらためて関心が高まる「説明できるAI」の、いわば先駆けといえる存在でしょう。
関連用語
帰納論理プログラミングに関するよくある質問
- 帰納論理プログラミングと、今の機械学習(ディープラーニング)はどう違いますか?
- ディープラーニングは大量データから数値のパターンを学び精度に優れますが、判断の理由は読み取りにくいです。帰納論理プログラミングは少ない例からでも人が読める論理規則を学べる反面、扱える問題の規模やノイズへの強さでは劣ります。
- 帰納論理プログラミングは誰が提唱したのですか?
- 1990年前後に、研究者スティーブン・マグルトンが「機械学習と論理プログラミングの交差点」として名づけ、提唱しました。記号AIと統計的な学習をつなぐ試みとして発展してきました。