LG AI Researchとは
LG AI Researchとは、韓国の大手企業グループLGが2020年12月に設立した、AIの研究開発を担う組織です。家電や化学、通信まで幅広い事業を持つLGが、グループ横断でAIを開発するために設けた頭脳にあたります。代表的な成果が、独自の大規模言語モデル(LLM)「EXAONE(エクサワン)」シリーズです。
LGグループのAI頭脳
LG AI Researchは、独立した会社ではなくLGグループ内のAI研究組織です。一企業の枠を超え、家電やディスプレイ、化学、バッテリーといった多様なグループ会社の課題にAIを役立てることを掲げています。日本ではLGを家電メーカーとして思い浮かべる人が多いかもしれませんが、生成AIの開発にも本腰を入れているわけです。混同しやすいのですが、EXAONEはこの組織が開発する「モデルの名前」で、組織そのものの名前ではありません。
EXAONEと「重みを公開する」戦略
EXAONEの最初のモデルは、ChatGPTが話題になる前の2021年にさかのぼります。シリーズの転機は、2024年8月に公開した「EXAONE 3.0」でした。これは韓国語に強い、韓国初のオープンウェイト(重みを公開した)LLMという位置づけです。重みとは、AIが学習で身につけた知識にあたる数値の集まりで、これを公開すると誰でも自社の環境に取り込んで使えます。さらに2025年7月には、性能重視の大きなモデルと、機器に直接組み込む軽量モデルを組み合わせた「EXAONE 4.0」を公開しました。後者は家電やスマホ、車に載せて使うことを想定しています。
ビジネスでの意味
LG AI Researchが見据えるのは、自分たちの製品やグループ事業に直接効くAIを自前で持つこと。外部のAIに頼り切るのではなく、家電や工場、専門業務に合わせて鍛えたモデルを抱える。これは、AIの基盤を他社に握られない『主権AI』を志向する動きとも重なります。自国語に強いモデルを国内グループが持つ意味は、調達先の選択肢を考えるうえでも示唆に富むのではないでしょうか。
Topic医師や歯科医の試験に通る水準のAI
2025年7月に公開されたEXAONE 4.0の大きい方のモデル(32B)は、医学や歯学を含む6つの専門分野の資格試験に合格する水準を示したと発表されています。家電メーカーのイメージが強いLGですが、その研究組織は、専門家のように深く答えるAIづくりで世界に存在感を見せはじめています。AIの担い手は、もはやIT専業の企業だけではないのかもしれません。
LG AI Researchに関するよくある質問
- LG AI Researchが作るのは文章のAIだけですか?
- 文章を扱うEXAONEが代表格ですが、画像も合わせて理解するマルチモーダル型のモデルも開発してきました。用途に応じて複数のAIをそろえています。
- EXAONEは誰でも自由に使えますか?
- 重みが公開されたモデルもあり、研究目的を中心に利用できます。商用で使う場合は、モデルやバージョンごとにライセンス条件を確認する必要があります。