ゼロクリック検索とは
ゼロクリック検索とは、検索しても表示された結果のどのリンクもクリックせず、その場で知りたいことが分かって終わる検索行動のことです。検索結果の上に答えを抜き出す強調スニペットや、AIが文章でまとめるAI Overviewsなどによって、わざわざサイトを開かなくても用が足りてしまう。利用者にとっては便利ですが、サイト運営者にとっては流入が減る現象として注目されています。
なぜ増えているのか
背景には、検索エンジンが「答えそのもの」を結果ページ上で見せる方向へ進んできたことがあります。天気や為替、簡単な定義などは、もう何年も前から結果画面で完結していました。そこへ生成AIによるAI Overviewsが加わり、これまではクリックが必要だった複雑な質問まで、画面の中で答えが返るようになってきています。ゼロクリック自体はAIより前からある現象で、AIがそれを一段押し広げた、と捉えると流れがつかめるでしょう。
数字で見るとどのくらいか
マーケティング調査会社のSparkToroが公表した調査によると、米国ではGoogle検索の約58.5%が、どこもクリックされずに終わっていたとされます(2022年9月〜2024年5月のデータ)。言い換えると、1,000回の検索のうち外部サイトへ届くクリックは約360回ほど。しかもそのクリックの約3割はYouTubeや地図などGoogle自身のサービスへ向かうという結果でした。検索の半分以上が、サイトを訪れないまま完結していた計算になります。
ビジネスでどう向き合うか
流入が減ると聞くと身構えますが、クリックされない=価値ゼロ、ではありません。答えの中に自社名や情報が表示されれば、認知やブランドの記憶には効きます。だからこそ、検索順位を追うSEOに加えて、AIの答えに引用される対策(AEOやGEO)や、Web上で自社が正しく言及される状態(サイテーション)づくりが大切になっていきます。流入数だけを成果指標にせず、見られ方そのものを設計する発想へ切り替えていきたいところです。
Topic同じ現象が、立場によって正反対に評価される
ゼロクリック検索は、見る人の立場で評価が真逆になります。検索エンジン側から見れば、利用者が探し物にすぐたどり着けた「良い体験」。ところがサイト運営者から見れば、せっかくの情報が読まれず訪問にもつながらない「困った変化」です。どちらも事実で、どちらも嘘ではありません。新しい仕組みを評価するときは、誰の立場から見た良し悪しなのかを切り分けて考えると、議論の食い違いを避けやすくなるでしょう。
ゼロクリック検索に関するよくある質問
- ゼロクリックが増えると、SEOはもう不要になりますか?
- 不要にはなりません。AIや検索が答えに引用する情報源も、結局は検索で評価される信頼性の高いページから選ばれる傾向があります。順位を狙う対策の土台は、引き続き生きてきます。
- どんな検索でゼロクリックになりやすいですか?
- 営業時間や用語の意味、計算や単位変換のように答えが一つに決まる検索ほど、画面内で完結しやすい傾向です。逆に比較検討や購入前の深掘りでは、今もサイト訪問が起こりやすいといえます。