ナレッジグラフとは
ナレッジグラフとは、人や物事を「点」、そのつながりを「線」で結んで、知識を地図のように整理したデータ構造のことです。2012年にGoogleが検索に取り入れて広く知られるようになりました。バラバラの情報を「意味のつながり」でまとめ直す考え方で、近年は生成AIの精度を支える土台としても注目されています。
どうやって知識をつなぐのか
ナレッジグラフの基本は、とても素朴な形をしています。「アインシュタイン ― 生まれた国は ― ドイツ」のように、二つの物事をその関係でつないだ三つ組をたくさん集めるのです。一つひとつは単純でも、それが網の目のように重なると、「ドイツ生まれの物理学者は誰か」といった問いに、点と線をたどって答えられるようになります。表計算のように行と列で持つデータベースと違い、物事どうしの関係そのものを蓄えるのが特徴です。
ビジネスでの使われ方
身近な例は、Google検索で人物や企業を調べたときに右側へ出る情報のまとめ(ナレッジパネル)です。これはナレッジグラフが支えています。さらに最近は、生成AIに正しい知識を参照させる土台という使い道も広がりました。AIが事実をでっち上げてしまうハルシネーションを抑えるため、社内の確かな情報をナレッジグラフにまとめ、AIにそこを見て答えさせるといった活用が広がっています。自社の散らばった情報を整理する切り口としても役立つ考え方です。
Topic「文字列ではなく、物事を」が変えた検索
Googleは2012年5月16日にナレッジグラフを発表した際、「things, not strings(文字列ではなく、物事を)」というスローガンを掲げました。それまでの検索は、入力した文字とページ内の文字が一致するかを見るのが基本でした。これを「アップル」が果物なのか会社なのか、といった”意味”まで踏まえて答える方向へ進めたのがこの転換です。今の検索やAIが「言葉の意味」を扱う流れの、ひとつの起点といえます。
ナレッジグラフに関するよくある質問
- 普通のデータベースと何が違うのですか?
- 表計算のように行と列でデータを持つデータベースと違い、ナレッジグラフは「アインシュタイン―生まれた国は―ドイツ」のように物事どうしの関係そのものを蓄えます。網の目状につながるので、「ドイツ生まれの物理学者は誰か」といった問いに点と線をたどって答えられます。
- ナレッジグラフは身近なところで使われていますか?
- Google検索で人物や企業を調べたとき、右側に出る情報のまとめ(ナレッジパネル)を支えています。最近は、生成AIに社内の確かな情報を参照させてハルシネーション(事実のでっち上げ)を抑える土台としても使われています。
- なぜ検索の歴史で重要なのですか?
- Googleは2012年の発表時に「things, not strings(文字列ではなく、物事を)」を掲げました。文字の一致を見るだけだった検索を、「アップル」が果物か会社かといった意味まで踏まえて答える方向へ進めた起点で、今の検索やAIが「言葉の意味」を扱う流れにつながります。