WABIANとは
WABIANとは、早稲田大学で1990年代から2000年代に開発された、二足歩行型ヒューマノイドロボットのシリーズです。現在の生成AIブームやChatGPTの一般公開より前に、人間に近い滑らかな歩行と全身の動き方を研究するために使われた機体群。人の歩き方を理解するために作られた研究用ロボットです。
名称の由来:WAseda BIpedal humANoid
開発:早稲田大学
何を研究したロボット?
WABIANシリーズが追究したのは、倒れずに二本脚で進むことだけではありません。自然な姿勢で歩く、方向を変える、物を持ったまま移動するといった、人間の全身運動に近い課題を扱いました。高西淳夫教授らの研究チームが、バランス制御と複数の関節を協調させる技術を積み重ねています。
人間に近い構造の機体を動かすと、歩幅や骨盤の動きが安定性にどう影響するかを実験できます。ロボットを便利な作業機械として使うだけでなく、人の運動を調べる装置として使う点が特徴です。
WABIAN-RVやWABIAN-2Rとの違いは?
WABIANは一台の固有機体ではなく、長期にわたり改良されたシリーズ名です。たとえばWABIAN-RVは2001年に開発され、早稲田大学歴史館で展示された機体。大学の紹介では、43の可動関節を持ち、1歩0.96秒・歩幅0.30メートルで歩き、音声指示による歩行やダンスにも対応するとされています。歩幅30センチは大人の半分ほど、1歩に約1秒。速さではなく、人に近い動かし方を確かめるための機体だと分かる数字です。
2006年からのWABIAN-2Rは、人間らしく膝を伸ばした歩行で知られます。研究室の説明によると、一般的な二足歩行ロボットは膝を曲げたまま歩くのに対し、WABIAN-2Rは腰に2自由度の機構を持たせて歩行中の骨盤の動きを再現し、そのぶんの余裕を使って膝を伸ばせるようにしました。型番ごとに構造や研究目的が異なるため、シリーズ名と個別機体の成果を混同しないことが大切です。
現在のAIロボットとどうつながる?
現在のロボット研究では、カメラや言葉を理解するAIが注目されます。一方、理解した指示を現実の動作へ変えるには、重心、接地、関節の協調といった身体側の技術が欠かせません。WABIANは、その土台となる二足歩行と全身運動を長期に検証した研究例です。
知能モデルだけでなく、動ける身体と制御を一体で見ると、ヒューマノイドの実用化に時間がかかる理由も理解しやすくなります。
TopicWABOT-1の「留守番」で展示された
2020年12月、早稲田大学歴史館で展示中のWABOT-1が学外の企画へ出ることになり、WABIAN-RVが交替で公開されました。1973年開発のWABOT-1と2001年開発のWABIAN-RVが同じ展示位置を引き継いだことで、早稲田のヒューマノイド研究の世代のつながりも見える展示替えになりました。
WABIANに関するよくある質問
- WABIAN-2Rは歩行支援機器の研究にも使われましたか?
- はい。早稲田大学の研究報告は、人の動きを模擬するWABIAN-2Rを使い、歩行支援器などの福祉用具を評価してきたと説明しています。
- WABIAN-RVはどこで紹介されていますか?
- 早稲田大学は2020年、WABIAN-RVを早稲田大学歴史館で公開すると発表しました。現在の展示状況は来館前に歴史館の案内で確認してください。
- WABIANの映像を資料で使えますか?
- 大学サイトで閲覧できることと転載できることは別です。写真や映像の権利表示を確認し、社外資料へ使う場合は必要な許諾を得てください。