Leanstral 1.5(リーンストラルワンポイントファイブ)とは
Leanstral 1.5とは、Mistral AIが2026年6月30日に公開した、Lean 4の形式証明とコード検証に特化したLeanstralの更新版モデルです。数学の証明やソフトウェア仕様を、AIが文章でそれらしく説明するだけでなく、証明器で確かめられる形へ近づけることを狙っています。
英語表記:Leanstral 1.5
形式証明に寄せた更新版
Mistralのモデルカードでは、Leanstral 1.5のパラメータは全体で1,190億、1トークンごとに実際に働くのは65億と示されています。128個の部品(エキスパート)のうち、1トークンを処理するたびに4つだけを動かす混合エキスパートの設計です。一度に読み込める量(コンテキスト長)は25万6千トークンで、長い証明作業を途切れさせないための作業机の広さにあたります。
公式発表では、中間訓練、教師あり微調整、CISPOを使った強化学習という流れで訓練したと説明されています。専門語が多いですが、要するに、証明を書いてLeanの反応を見て直すという試行錯誤を、AIが長く続けられるように鍛えたモデルです。証明器からのフィードバックを使う点が、通常の文章生成AIとの大きな違いになります。
ビジネスでの意味
Leanstral 1.5は、通常のWebサイト制作や広告運用ですぐ使うAIというより、ミスの許容度が低いソフトウェアの検証に近い領域の技術です。Mistralが挙げた実例の1つは、データを整理して保存する実際のプログラム(AVL木)について、データが増えても追加や削除の手間がゆるやかにしか増えないことを証明したもの。作業は270万トークンを超え、途中で文脈を22回まとめ直しながら最後まで続きました。
「テストで動いた」を「どんな入力でも成り立つ」へ引き上げる作業を、人の代わりに粘り強く進める。正しさを説明ではなく検証へ寄せるためのモデルと見ると理解しやすいでしょう。
無料のAPIは、いつまで使えるのか
MistralはLeanstral 1.5を、Apache 2.0ライセンスで重みをHugging Faceに公開し、APIも無料で使えるモデルとして案内しました。2026年9月時点のモデルカードも、価格は無料、扱いは公開プレビューです。ただし、公開日と同じ6月30日付のMistralの変更履歴には、このモデルは2026年9月30日に提供を終えると明記されています。
つまり無料のAPIは、最初から期限つきの入口です。期限の後も使うなら、公開された重みを自社の環境で動かす道が残ります。ただしHugging Faceのモデルカードが示す起動例は、GPU4枚にモデルを分けて載せる構成。APIの移行先が示されるかどうかは、Mistralのモデル一覧で確かめる必要があります。
Topic57のリポジトリで見つかった、未報告のバグ5件
Mistralは、Rustで書かれたコードをLeanへ翻訳し、Leanstral 1.5にコードの意図を推し量らせて「満たすべき性質」を書き出させ、その証明を試させました。4回で証明できなければ、今度は性質が破れていることの証明を4回試みます。57のリポジトリで47件の破れを検出し、本物のバグを指していたのは11件、うち5件はGitHubで未報告でした。47件がそのままバグだったわけではない点も、あわせて読んでおきたいところです。
Leanstral 1.5に関するよくある質問
- なぜ形式証明モデルが企業に関係するのですか?
- ソフトウェアの不具合が大きな損失につながる領域では、テストだけでなく仕様通りかを確かめる考え方が重要になります。Leanstral 1.5は、その検証作業をAIで支援する方向のモデルです。
- Lean LSP MCPはLeanstral 1.5とどう関係しますか?
- Lean LSP MCPは、AIエージェントがLeanの状態やエラーを扱いやすくするための接続口です。Mistralの案内では、Leanstral 1.5をMistral Vibeで使う際の補助として推奨されています。
- Leanstral 1.5は一般的な業務チャットに向きますか?
- 主な用途はLean 4の形式証明やコード検証です。社内検索や文章作成より、正しさを機械的に確かめたい専門領域に向いたモデルと考えてください。