Jamba(ジャンバ)とは
Jambaとは、イスラエルのAI21 Labsが開発した、種類の違う2つの技術を組み合わせたハイブリッド構造の大規模言語モデルのことです。いまの生成AIの主流であるTransformerに、Mambaという別系統の技術を混ぜている点が特徴です。
2つの技術を1つに混ぜる
多くの言語モデルは、Transformerという仕組みだけで作られています。では、なぜ別の技術を混ぜるのでしょうか。AI21 Labsの説明では、Transformerは扱う文章が長くなるほど使うメモリが膨らみ、処理も遅くなります。一方のMamba(状態空間モデルと呼ばれる別系統の技術)は長い文章を軽く扱えるかわりに、文章全体を見渡す仕組みを持たないため、前に出てきた情報を正確に思い出す作業では、優れたモデルと同じ品質を出しにくいといいます。Jambaはこの2つを1つのモデルに混ぜ、互いの弱点を補わせました。必要な専門家だけを働かせる混合エキスパートの考え方も、あわせて取り入れた設計です。
登場時期と提供形態
初代Jambaは2024年3月に発表され、重みを公開するApache 2.0のオープンウェイトとして提供されました。抱えるパラメータは総520億、実際に動くのは約120億です。AI21 Labsは発表時、GPU1枚で最大14万トークンの文章を扱えることを売りにしていました。その後も改良が続き、2026年1月の版まで出ています。重みを自社の環境へダウンロードできるので、社外にデータを出さずに動かしたい企業向けの選択肢として売り込まれてきました。
日本の会社で使うなら、何に気をつける?
まず言語です。公式ドキュメントが挙げる対応言語は英語・スペイン語・フランス語・ドイツ語・アラビア語・ヘブライ語など9つで、日本語は含まれていません(2026年9月時点)。次に、今後の改良です。イスラエルの経済紙カルカリストによると、AI21 Labsは2026年5月、Jambaシリーズの開発を止めると発表しました。同社は言語モデルを単体で売る事業をやめ、AIエージェント向けの仕組みへ軸足を移しています。新しく採用を考えるなら、これ以上の改良は見込みにくいモデルだという前提で判断するのが安全です。
Topic名前をほどくと、設計図が出てくる
「Jamba」は、アテンション(注意機構)とMambaの組み合わせを意味する英語、Joint Attention and Mambaを縮めた名前です。AI21 Labsは2024年3月の発表記事で、この構造をそう名付けたと説明しています。アテンションは、文章のどの語とどの語が関係しているかを見渡す、Transformerの中核にあたる仕組みです。つまり名前を分解すると、「Transformerの要と、Mambaを、1つにつないだもの」という中身がそのまま読み取れます。
Jambaに関するよくある質問
- Jambaは、一度にどのくらいの文章を読み込めますか?
- 公式ドキュメントでは、Jamba Large・Jamba Mini・Jamba 3Bの3つのモデルがいずれも最大25万6千トークンです。英語なら分厚い本1冊をまるごと渡せるくらいの量(おおよその目安)で、長い契約書や報告書を分割せずに扱いたい場面を想定しています。
- 古い版のJambaは、いつまで使えますか?
- 版ごとに提供を終える日が決まっています。公式ドキュメントでは、Jamba 1.5が2025年5月6日、Jamba 1.6が2025年8月3日、Jamba Mini 1.7が2026年2月1日です。AI21 Labsは、モデルの更新で動きが変わるのを避けるため、日付つきの版を指定して呼び出すよう勧めています。