ファジィ論理とは
ファジィ論理とは、「正しい(1)か、間違い(0)か」の二択ではなく、その中間の度合いで物事を扱う考え方です。「やや暑い」「かなり暑い」といった人間の曖昧な言い回しを、0から1のあいだの数値に置きかえてコンピュータが扱えるようにします。1965年に数学者のロトフィ・ザデーが提唱しました。
「あいまい」を厳密に数値で扱う
気をつけたいのは、ファジィ論理の「あいまい」はいいかげん、という意味ではないことです。むしろ逆で、人間の感覚的な言葉を度合い(メンバシップ)として数値で厳密に表す仕組みです。たとえばエアコンなら「少し暑い→弱めに冷やす」「とても暑い→強く冷やす」と、白黒つけずになめらかに判断できます。「正しいか間違いか」の二択しか扱えない従来のかっちりした論理を、中間の度合いまで広げた拡張といえます。
日本の家電で花開いた
ファジィ論理がいちばん華やかに使われたのは、1980年代後半から1990年代の日本でした。出発点は1987年に開業した仙台市営地下鉄南北線で、日立が開発したファジィ制御により、人間の運転よりなめらかで約10%省エネな自動運転を実現しました。これは世界で初めてファジィ論理で速度を制御した公共鉄道とされています。その後、掃除機やエアコン、カメラのピント合わせなど多くの家電に広がりました。これらはいずれもChatGPTが登場するずっと前のことで、生成AIや深層学習とは別系統の、いまも制御機器で現役の技術です。
Topic「ファジィ」は1990年の流行語大賞に選ばれた
ファジィ家電のブームはすさまじく、「ファジィ」は1990年の新語・流行語大賞の新語部門で金賞を受賞しました(受賞は松下電器の研究所長)。洗濯機や掃除機の売り文句に「ファジィ」が躍り、専門用語が一般家庭のお茶の間の言葉になった珍しい例です。技術の出発点が、滑らかな加減速で乗客を驚かせた仙台の地下鉄だったというのも、知っておくと面白いところです。
ファジィ論理に関するよくある質問
- ファジィ論理の「あいまい」とは、いいかげんという意味ですか?
- むしろ逆です。人間の「やや暑い」「かなり暑い」といった感覚的な言葉を、0から1のあいだの度合い(メンバシップ)として数値で厳密に表す仕組みです。「正しいか間違いか」の二択しか扱えない従来の論理を、中間の度合いまで広げた拡張です。
- ファジィ論理は実際にどこで使われたのですか?
- 1980年代後半から1990年代の日本で華やかに使われました。出発点は1987年開業の仙台市営地下鉄南北線で、日立のファジィ制御が人間より滑らかで約10%省エネな自動運転を実現(世界初のファジィ速度制御の公共鉄道とされます)。その後、掃除機・エアコン・カメラのピント合わせなど多くの家電に広がり、今も制御機器で現役です。
- ファジィ論理はいつ生まれた考え方ですか?
- 1965年に数学者ロトフィ・ザデーが提唱しました。日本での家電ブームはすさまじく、「ファジィ」は1990年の新語・流行語大賞の新語部門で金賞を受賞しています。専門用語が一般家庭のお茶の間の言葉になった珍しい例です。