用語 基本

AGI(エージーアイ)とは

AGIとは、人間のように幅広い課題を自分でこなせる、汎用的なAIの構想です。Artificial General Intelligence(汎用人工知能)の頭文字をとった言葉で、決まった作業だけが得意な今のAIとは性質が大きく異なります。まず押さえておきたいのは、AGIがまだ実現していない「これからの構想」だという点。実在する製品やモデルの名前ではありません。AGIを理解する鍵は、「幅広い課題を1つでこなす汎用性」「人間並みの知能」「まだ実現していない構想であること」の3つにあります。順に見ていきましょう。

AGIを理解する3つの鍵(幅広い課題・人間並みの知能・未実現の構想)を示す枝分かれ図

特化型AIとの違い

今あるAIの多くは、特化型AI(ナローAI)と呼ばれます。翻訳なら翻訳、囲碁なら囲碁というように、決まった役割の中では高い力を発揮する一方、その枠の外には応用がきかないのが特徴です。囲碁のAIに翻訳はできず、翻訳のAIに囲碁は打てません。それぞれが、与えられた一つの仕事のために作られているからです。

これに対してAGIは、1つのAIが分野をまたいで、人間のように何でもこなすことをめざす考え方です。未知の問題に出会っても、これまでの知識を応用して自分なりに解いていく。「一つの仕事が得意」ではなく「何でもできる」をめざすところに、特化型AIとの根本的な違いがあります。

まだ実現していない構想

ここで誤解しやすいのが、AGIがすでにどこかに存在するかのようなイメージです。実際には、AGIはまだ実現しておらず、研究者の間でも「何をもってAGIとするか」の定義すら定まっていません。「人間並み」という言葉ひとつとっても、どの能力を、どの水準で満たせばよいのかは、はっきり決まっていないのです。

ChatGPTのような対話型AIは、文章づくりや受け答えではめざましい力を見せます。とはいえ、それも得意な領域に強いAIであって、人間のような幅広い汎用性を備えたAGIとは区別して考えられているのが現状どの段階に達したらAGIと呼べるのか、その線引き自体がまだ議論の途中なのです。

なぜこれほど注目されるのか

実現していない構想でありながら、AGIがこれほど語られるのはなぜでしょうか。一つは、その影響の大きさにあります。もし人間のように何でもこなすAIが生まれれば、研究や医療、経営など社会のあらゆる場面を大きく変えうると考えられているからです。

実際、OpenAIGoogle DeepMindといった主要なAI企業は、AGIの実現を目標にかかげていると公表しています。なかでもOpenAIは、「AGIが全人類に利益をもたらすようにする」ことを会社の使命に据えているほど。もっとも、語られるのは期待ばかりではありません。これほど大きな力を持つAIをどう安全に扱うかという懸念も同時に議論されており、AGIは希望と慎重論の両方をともなう話題になっています。

Topic「あと20年で実現」と言われ続けて

AGIがいつ実現するのかは、専門家の間でも見方が大きく分かれます。興味深いのは、その予測に昔から一定のクセが指摘されている点です。「人間並みのAIはあと15〜25年で実現する」という予測が、時代を問わず繰り返されてきたといわれます。つまり、何十年も前から「もうすぐ」と言われ続けてきたわけです。近年も、5年から20年とみる人もいれば、今世紀の後半とする慎重な見方もあり、幅は大きいまま。経営の視点では、「AGIはすぐそこ」という景気のよい話を聞いたときほど、誰がどんな根拠で言っているのかを冷静に見極めたいところです。

AGIに関するよくある質問

AGIはいつ実現するのですか?
専門家の間でも見方が大きく分かれます。興味深いことに「人間並みのAIはあと15〜25年で実現する」という予測が時代を問わず繰り返されており、何十年も前から「もうすぐ」と言われ続けてきました。近年も5〜20年とみる人から今世紀後半とする慎重論まで幅が大きく、「AGIはすぐそこ」という話ほど、誰がどんな根拠で言っているのかを冷静に見極めたいところです。
AGIはもう実現していますか?
いいえ。AGIはまだ実現しておらず、研究者の間でも「何をもってAGIとするか」の定義すら定まっていません。実在する製品やモデルの名前ではなく、これからの構想です。
AGIと今のAI(特化型AI)の違いは?
今のAIの多くは特化型AIで、決まった役割では高い力を発揮しますが枠の外には応用がききません。AGIは1つのAIが分野をまたいで何でもこなすことをめざす点が異なります。