ランダムフォレストとは
ランダムフォレストとは、たくさんの決定木(質問を枝分かれでたどって答えを出す予測の木)を作り、その予測を多数決や平均でまとめる機械学習の手法です。1本の木は当たり外れが大きいので、条件を少しずつ変えた木を森のように大量に育て、答えを合議制で決めるという発想になります。
英語表記:Random Forest
1本の木の弱点を「ばらつかせて平均する」で消す
決定木を1本だけ使うと、学習に使ったデータに合わせ込みすぎて、新しいデータで外しやすくなります(過学習)。ランダムフォレストはここに2種類のランダムさを持ち込みます。①元データから重複を許して選び直したデータを木ごとに与える(ブートストラップ)②枝分かれの判断に使う項目も毎回ランダムに絞る。こうすると木どうしが似すぎず、間違え方がばらけます。ばらけた間違いは平均すると打ち消し合う。これが森にする理由です。
表形式データで手堅く、しかも理由を示せる
顧客台帳や売上、センサーの値といった表形式のデータ(行と列で整理された表)の予測で、ランダムフォレストは今も定番です。調整するつまみが少なく、初期設定のままでもそこそこ当たるため、まず試す基準のモデルとして使いやすいのが利点でしょう。さらにどの項目が予測に効いたか(特徴量の重要度)を数値で出せるので、「なぜこの顧客は離反すると判断したのか」を説明する材料にもなります。深層学習が話題の中心になった今でも、表データの現場では有力な選択肢です。
提案は2001年、統計学者レオ・ブレイマンによるものです。ChatGPTの一般公開(2022年11月30日)より20年以上前にあたり、いわゆる生成AIブームのずっと前から実務で鍛えられてきた古典的な手法だと押さえておくと、新旧の位置づけを取り違えずに済みます。
Topic「ランダムフォレスト」という名前は、実は商標登録されている
誰でも自由に使える定番手法ですが、“Random Forests”という名称自体は2006年にブレイマンらが商標登録しています(のちに統計ソフト企業ミニタブ社が保有)。アルゴリズムの中身は世界中で広く使われ、教科書にも載っているのに、名前には商標が付いている。技術と呼び名の権利が別々に動く、少し意外な一例です。
ランダムフォレストに関するよくある質問
- ランダムフォレストはディープラーニングの一種ですか?
- いいえ。脳を模したニューラルネットワークとは別系統で、決定木を土台にした古典的な手法です。画像や文章より、表形式データの予測を得意とします。
- ブースティングとはどう違いますか?
- ランダムフォレストは木を独立に並列で作り平均する方式です。ブースティングは前の木が外した部分を次の木が重点的に直す逐次方式で、考え方の向きが逆になります。
- 深層学習が主流の今でもランダムフォレストを使う意味はありますか?
- あります。顧客台帳や売上のような表形式データでは、設定が手軽で精度も安定し、どの項目が効いたかも示せるため、2026年時点でも実務で広く使われています。