ノーコードAIとは

ノーコードAIとは、プログラムのコードを一切書かずに、画面上の操作だけでAIの機能を業務に組み込んだり、自前のAIモデルを作ったりできる仕組みやツールの総称です。マウスでの選択や設定だけで完結するため、エンジニアではない現場の社員でもAI活用の作り手になれます。

「作れる人」を選ばないAI開発

コードを書かない開発(ノーコード開発)は、2010年代に世界的な開発者不足を背景として広がった手法です。事業部門のユーザーが自分でアプリを作ることを想定して設計されており、こうした作り手は市民開発者(シチズンデベロッパー)と呼ばれます。そのAI版がノーコードAIです。似た言葉のローコードとの違いは、わずかにコードを書く余地を残すか(ローコード)、完全にコードを書かずに済ませるか(ノーコード)という程度の差になります。

実際にどんなツールがあるのか

例えばMicrosoftの「AI Builder」は、同社の業務アプリ基盤Power Platformの一機能で、コーディングのスキルがなくてもAIモデルを作って使えるとうたわれています。請求書の読み取りや需要予測のようなよくある用途には作成済みのモデルが用意され、自社データでの追加学習も自動で進む仕組みです。さらに歴史をさかのぼれば、Googleが2019年11月に公開した無料ツール「Teachable Machine」のように、ブラウザだけで画像や音声の認識モデルを作れるものもあります。「AIを作る」ことは、もう専門部署だけの仕事ではなくなりつつあるのです。

現場開放のメリットと「野良AI」の管理

経営から見た利点は明快で、IT部門に依頼して数か月待つ代わりに、業務を知る本人がその場で改善を形にできることです。ただし裏返しのリスクも見ておきましょう。誰が何を作ったか会社が把握できない「野良アプリ・野良AI」が増えると、誤った判断やデータの漏えいに気づけません。作る自由を広げるなら、作ったものを登録・共有する仕組みとデータの取り扱いルールを先に整えておく。これがノーコードAIを戦力に変える条件です。

Topicウェブカメラに見せるだけ。Googleの「教えられる機械」

Google公式ブログで2019年11月7日に発表されたTeachable Machine 2.0は、その名のとおり「教えられる機械」。ウェブカメラに物を見せてボタンを押すだけで、画像・音声・体のポーズを見分けるAIモデルを訓練できる無料ツールです。処理はすべてブラウザの中で完結し、集めた例は外部へ送られません。発表時には中学生向けのAI教育に使われた事例も紹介されています。ChatGPTの一般公開(2022年11月30日)より3年も前に、「AIを作る」体験の入り口は子どもにまで開かれていたわけです。

ノーコードAIに関するよくある質問

ノーコードAIがあれば、エンジニアはもう必要ありませんか?
いいえ。基幹システムとの本格的な連携、大量データの処理、セキュリティ設計などは引き続き専門家の領域です。定型的な業務改善は現場が自分で作り、難しい部分は専門家が担う、という役割分担と考えるのが実態に合います。
ノーコードとローコードはどちらを選ぶべきですか?
作り手が誰かで決まります。現場の非エンジニアが主役ならノーコード、情報システム部門や開発会社が速く作るための道具ならローコードが向いています。両方の機能を備えた製品も多く、厳密な線引きより使う人に合うかが大切です。
無料で試せるノーコードAIはありますか?
あります。例えばGoogleが2019年に公開したTeachable Machineは、ブラウザだけで画像や音声を見分けるモデルを無料で作れます。業務導入の前に「AIに教えるとはどういうことか」を体感する教材としても役立ちます。

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