AI電子カルテ(えーあいでんしかるて)とは
AI電子カルテとは、診療中の会話、検査結果、過去の記録などをAIが整理し、記録案の作成や情報検索を支援する電子カルテです。医師や看護師の記録を代替するのではなく、確認前の下書きを作ることが主な役割です。
会話から記録案を作り人が確定する
診察や看護中の会話を音声認識で文字にし、生成AIが症状、経過、対応などの項目に整える流れ。医療従事者は原文や患者の状況と照合し、誤りを修正してから電子カルテの記録にします。
国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所などが2025年に公表した取り組みでも、生成AIの記録案は看護師が必ず確認し、その後に既存の電子カルテへ連携する流れです。「AI作成」と「医療記録の確定」を明確に分ける必要があります。
記録時間と修正の負担を一緒に測る
導入時は、診療科や記録種別を絞って試します。測るのは、1件の記録時間、AI案の修正率、重要項目の抜け、操作ミス、従事者の負担感です。作成件数が増えても、修正に長い時間がかかれば目的は達成できません。
AIは、記録にない症状や指示を、もっともらしく補ってしまうこと(ハルシネーション)があります。日付、薬剤、数値、否定表現、患者の訴えなど、間違いの影響が大きい項目は、必ず確認リストに入れましょう。
接続と医療情報の管理を先に確認する
電子カルテは製品ごとに仕様が異なり、AIツールとの接続に個別改修が必要な場合があります。厚生労働省の検討では、変化の速い生成AIと電子カルテを標準化した接続口でつなぐ方向も議論されています。
患者への録音・利用説明、データの保存先、AIの学習への利用、閲覧権限、削除手順を契約前に確認することが必要です。障害時に紙や既存入力へ戻れる代替手順も欠かせません。
Topic看護師は1日平均94分を記録に使っている
医薬基盤・健康・栄養研究所らの2025年の発表は、看護師一人あたり1日平均94分、勤務時間の約2割が記録作業という報告を紹介しています。狙いは入力を速くすること自体ではなく、その時間を患者と向き合う時間へ戻すこと。効果を測るときは、記録が速くなったかに加え、空いた時間が何に使われたかまで見ると判断しやすくなります。
AI電子カルテに関するよくある質問
- AI電子カルテは診断を自動で確定しますか?
- このページで扱う主な役割は、診療記録の下書きや情報検索の支援です。AIの出力は医師や看護師が原文と照合し、確認・修正します。
- 診療中の音声はAI電子カルテに残りますか?
- 保存の有無と期間は製品や契約で異なります。文字起こし後に削除されるとは限らないため、保存先、保存期間、削除手順、AI学習への利用を契約で確認してください。
- AI電子カルテの契約前に何を確認しますか?
- 患者への説明方法、データの保存先と保存期間、AI学習への利用、閲覧権限、削除手順、障害時の代替手順、既存カルテとの接続方法を確認します。