オントロジーとは
オントロジーとは、ある分野の知識を「概念」と「概念どうしの関係」として整理し、コンピュータが意味を扱えるようにした枠組みのことです。情報科学の用語で、たとえば「犬は哺乳類の一種」「医師は病院で働く」といった事実を、人にもAIにも読み取れる形でつなぎ合わせて表します。検索エンジンの知識グラフやセマンティックWebの土台になっている考え方なのです。
概念と関係で、知識を地図にする
オントロジーは、おおまかに4つの部品でできています。物事の種類を表す「クラス」(例:動物、病気)、その性質を表す「属性」(例:体温、症状)、概念どうしのつながりを表す「関係」(例:〜の一種である、〜を引き起こす)、そして具体的な個物である「インスタンス」です。これらを組み合わせ、ある領域の知識を一枚の地図のように体系化します。人間には当たり前の常識でも、コンピュータには言葉どうしの関係を明示しないと伝わりません。その関係を丁寧に書き下したものがオントロジーだと考えると、腹に落ちるでしょうか。
哲学の「存在論」とは別物
気をつけたいのは、オントロジーという言葉が哲学にも同じ綴り(ontology)で存在し、そちらは「存在とは何か」を突き詰める存在論を指す点です。情報科学のオントロジーは、そうした深遠な問いではなく、特定分野の知識を実用的に整理して機械に使わせるのが目的。同じ言葉でも、向いている方向はかなり違います。実際のオントロジーは、ウェブ上のデータに意味づけするセマンティックWebや、検索結果の脇に出る知識パネル(知識グラフ)などで使われ、AIが言葉の意味関係をたどって答えを組み立てる下地になっています。
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オントロジーに関するよくある質問
- 情報科学のオントロジーと、哲学の存在論は何が違いますか?
- 綴りは同じですが、向かう先が違います。哲学の存在論はものごとが在るとはどういうことかを突き詰める学問で、情報科学のオントロジーは特定分野の知識を概念と関係で整理し、機械が扱えるようにする実用的な枠組みです。
- オントロジーと知識グラフは同じものですか?
- 近い関係ですが同じではありません。オントロジーは概念と関係の設計図にあたり、知識グラフはその設計図に沿って実際の事実データを大量につないだネットワークを指すことが多いです。
- オントロジーは私たちの身近でどう使われていますか?
- 検索したときに画面の脇へ出る知識パネルや、音声アシスタントの応答などの裏側で働いています。言葉どうしの意味のつながりをAIがたどる下地になっています。