General Problem Solverとは

General Problem Solverとは、1957年にアレン・ニューウェルとハーバート・サイモンらが開発した、どんな問題でも解ける「万能の問題解決プログラム」を目指した初期のAIです。略称はGPS。なお、ここでのGPSはカーナビでおなじみの位置情報システムとは無関係で、たまたま略称が重なっているだけです。

「差」を縮めていく問題の解き方

GPSの中核は、手段目標分析(means-ends analysis)という考え方です。これはいまの状態とゴールの「差」に注目し、その差を縮める手段を選んで一歩ずつ近づくやり方を指します。たとえば「出張先へ行きたい」なら、差は距離。差を縮める手段は新幹線、その新幹線に乗るにはまず切符が要る、と問題を小さく分けて片づけていく。私たちが段取りを考えるときの感覚に近いといえるでしょう。GPSはこの解き方を、IPLという当時のプログラミング言語で実装しました。

「万能」をうたいながら、現実の壁にぶつかった

意気込みは大きかったものの、GPSが力を発揮できたのは、ルールがはっきりした単純な問題に限られました。問題が複雑になると、試すべき選択肢の数が爆発的に増えて手に負えなくなるのです。これは組合せ爆発と呼ばれ、初期AIが共通してぶつかった壁でした。「どんな問題でも解ける万能の方法」という夢は、ここで一度行き詰まります。この反省から、AIの流れは万能をあきらめ、特定分野の知識をたっぷり詰め込むエキスパートシステムへと移っていきました。GPSの考え方自体は、のちの研究にも受け継がれています。

TopicGPSは「人間の考え方」をまねる試みでもあった

GPSは、ただ問題を解く機械ではありませんでした。ニューウェルとサイモンが本当に知りたかったのは「人はどうやって考えているのか」。彼らは人が問題を解く手順を観察し、その思考の運びをプログラムに写し取ろうとしたのです。だからGPSは、コンピュータ科学と心理学のちょうど境目に立っていました。この姿勢は、のちに「認知科学」という、人の心のしくみを情報処理として研究する分野の源流の一つになったといわれます。

General Problem Solverに関するよくある質問

GPSとはカーナビのGPSのことですか?
いいえ、別物です。ここでのGPSは1950年代のAIプログラム「General Problem Solver」の略で、カーナビの位置情報システム(Global Positioning System)とはたまたま略称が同じだけで関係ありません。
General Problem Solverは具体的にどんな問題を解けたのですか?
ハノイの塔というパズルや、論理学の証明、簡単な幾何の問題などです。手順がはっきりした課題では力を発揮しましたが、現実の入り組んだ問題には歯が立ちませんでした。
GPSのアイデアは今のAIに残っていますか?
「万能の問題解決」という方針は当時行き詰まりましたが、人の思考をまねる発想は後年の認知科学や研究に影響を残しました。一方、現在のAIの主流は、大量のデータから自分で学ぶ機械学習です。

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