Cyc(サイク)とは

Cycとは、人間が持つ常識を、膨大なルールとして人手で書き下し、AIに教え込もうとした超長期プロジェクトです。1984年にダグラス・レナートが始めました。「水に触れると濡れる」のような、当たり前すぎて誰も口にしない知識を、何十年もかけて一つずつ入力していく、いわば世界の仕組みの巨大な辞書づくりで、記号AIの代表例として知られます。

いまのAIとは正反対のアプローチ

ChatGPTのような今の主流AIが大量のデータから自動でパターンを学ぶのに対し、Cycは人間が常識を手作業で教え込むという、まったく逆の発想に立ちます。エキスパートシステムナレッジグラフと同じく、知識を人が書き起こす系統です。この方法には「常識を書き切れるのか」という賛否がありますが、開始から40年近くを経た現在もCycorpという会社のもとで続いており、機械学習一色ではないAIのもう一つの道を示しています。

Topic名前は「百科事典」、中身は40年の執念

「Cyc」はencyclopedia(百科事典)の真ん中から取った名前で、「サイク」と読みます。創始者のダグラス・レナートは、1984年に始めてから2023年に72歳で亡くなるまで、約40年にわたって常識のルールを書き続けました。たとえば「マラソンを走り終えた人は汗をかいて濡れている」のような、人間には一瞬の推論を機械にさせるのがいかに大変か。その難しさに人生をかけた、AI史でも屈指の息の長いプロジェクトです。

Cycに関するよくある質問

Cycは今のAI(ChatGPTなど)と何が違うのですか?
正反対の発想です。今の主流AIは大量のデータから自動でパターンを学びますが、Cycは「水に触れると濡れる」のような常識を人間が手作業で一つずつ書き込んで教えます。エキスパートシステムやナレッジグラフと同じく、知識を人が書き起こす記号AIの系統です。
「Cyc」という名前の由来と、その歴史は?
encyclopedia(百科事典)の真ん中から取った名前で「サイク」と読みます。創始者ダグラス・レナートは1984年に始めてから2023年に72歳で亡くなるまで約40年にわたり常識のルールを書き続けました。常識を機械にさせる難しさに人生をかけた、AI史でも屈指の息の長いプロジェクトです。