Authorised Representative (AI Act)とは

Authorised Representative (AI Act)とは、EU域外のAI提供者が、EU AI法上の手続きや当局対応を任せるためにEU域内へ置く代理人のことです。高リスクAIシステムGPAIモデルをEU市場に出すとき、書面の委任で選任する場面があります(2026年6月時点)。日本企業にとっては、EU向けAIビジネスの「現地の法務窓口」と考えると分かりやすいでしょう。

英語表記:authorised representative(Regulation (EU) 2024/1689, AI Act)

どんな役割を持つのか

役割は、単なる連絡先より重めです。同法では、代理人がEU適合宣言書や技術文書を確認・保管し、当局から求められたときに資料を出し、協力することが想定されています。書類を預かるだけでなく、EU側から見ると「誰に聞けばよいか」を明確にする責任窓口という位置づけ。

高リスクAIシステムではArticle 22、GPAIモデルではArticle 54が関係します。どちらも、EU域外の会社がEUの利用者へAIを届けるときの橋渡し役という点は同じです。ただし、輸入者が別にいる場合や、自由かつオープンソースライセンスで公開されたモデルの一部など、例外もあります。「EUに売るなら必ず一律に必要」と短絡せず、製品の種類・流通経路・契約相手を分けて確認することが大切です

提供者や通知機関との違い

混同しやすい相手は、AIを作る提供者、EUで販売や流通に関わる事業者、適合性評価を担う通知機関です。提供者はAIを作って市場に出す主体。通知機関は、一定の高リスクAIシステムで、外部から適合性を評価する機関です。Authorised Representative (AI Act)はそのどちらでもなく、EU域外の提供者から委任され、当局とのやり取りや文書保持を担う代理人です。

経営判断では、CEマーキングやEU適合宣言書のような「市場に出すための書類」とセットで見ます。AIの性能を上げる話ではなく、EUで売れる状態にするための体制づくり。海外展開の初期段階で見落とすと、あとから販売計画や契約書を組み直すことになりかねません。

Topicauthorizedではなくauthorisedと書く理由

この規則の英語原文は、米国式のauthorizedではなく、英国式のauthorisedを使っています。意味はほぼ同じですが、条文や公式資料を探すときは「s」の綴りで検索したほうが原文にたどり着きやすいでしょう。細かな違いに見えて、法令用語では検索漏れを減らす実務上の手がかりになります。

Authorised Representative (AI Act)に関するよくある質問

代理人を置けば、提供者の責任は移りますか?
責任が丸ごと代理人へ移るわけではありません。AIを市場に出す提供者側の義務は残るため、代理人は責任逃れの受け皿ではなく、EU当局との手続きを担う窓口として見るのが安全です。
EU向け展開で先に確認することは何ですか?
まず、そのAIが高リスクAIシステムやGPAIモデルに当たるか、誰が提供者・輸入者・販売側になるかを整理します。そのうえで、委任状、技術文書、適合宣言などを誰が保管し当局へ出せる状態にするかを確認します。

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