グリーンAIとは
グリーンAIとは、AIの賢さ(精度)だけでなく、計算の効率や消費エネルギーの少なさも重視しようとする、AI研究・開発の考え方のことです。2019年に研究者グループが提唱し、精度を追い求めて計算資源を惜しみなく使う従来の風潮への問い直しとして広まった考え方です。
英語表記:Green AI
「Red AI」と「Green AI」
提唱者は、対になる概念として「Red AI(レッドAI)」という言葉も打ち出しました。Red AIは、精度を少しでも高めるために計算資源を惜しみなく投入する研究のあり方を指します。これに対しGreen AIは、計算コストを増やさず(できれば減らして)成果を出すことをめざします。ねらいは、精度だけが偉い、という評価のものさしに、「効率」というもう一本の軸を加えること。
経営から見た意味
経営の視点でいえば、グリーンAIは「賢さ」と「動かすコスト」を両にらみする発想です。AIを動かせば、それだけ計算の費用と電力がかかります。用途に対して大きすぎるモデルを使えば、推論コストも電力も無駄に膨らみます。派手で巨大なモデルを選ぶより、必要十分な効率のよいモデルを選ぶ視点は、コストの面でも、データセンターの電力効率(PUE)といった環境(ESG)の面でも意味を持つでしょう。
Topic背景にあった「計算量30万倍」の衝撃
なぜ2019年に、わざわざ「効率」を持ち出す必要があったのでしょうか。提唱した研究グループによれば、深層学習の研究に使われる計算量は数カ月ごとに倍増し、2012年から2018年までのおよそ6年で約30万倍にも膨らんだといいます。性能争いがエスカレートし、計算資源を持つ一部の組織しか最先端の研究に挑めなくなる、という懸念が背景にありました。効率を評価の軸に据えれば、お金や設備の限られた研究者にも門戸が開く。そんな公平性の願いも込められていたのです。
グリーンAIに関するよくある質問
- グリーンAIは、環境保護のためのAIという意味ですか?
- 少し違います。環境問題を解くためのAIではなく、AIそのものを効率よく省エネに作ろうという考え方です。動かす計算コストや電力を抑える発想を指します。
- 中小企業がグリーンAIを意識する意味はありますか?
- あります。用途に合った効率のよいモデルを選ぶだけで、利用料金や電力コストを抑えられます。大きいモデルほど良いとは限らない、という見方が役立ちます。
- グリーンAIは誰が言い出したのですか?
- 2019年に研究機関アレン人工知能研究所などの研究者グループが提唱しました。精度ばかりを追って計算資源を使いすぎる風潮への問題提起がきっかけです。