通知機関とは
通知機関とは、高リスクAIがEU市場に出る前に、規制の要件を満たしているかを第三者の立場で評価する認証機関のことです。EUのAI規制(EU AI法)における適合性評価のうち、第三者によるチェックを担う役割で、第31条などに定められています。
英語表記:Notified body(EU AI法 第31条)
すべての高リスクAIに第三者審査が要るわけではない
誤解しやすいのですが、高リスクAIなら必ず通知機関の審査を受ける、というわけではありません。多くの用途は提供者自身による「自己評価」で足り、通知機関が関わるのは、顔認証などの生体認証系で共通の技術規格を使っていない場合などに限られます。通知機関には独立性と専門性が厳しく求められ、評価するAIの開発や販売に関わってはならない、という利益相反の禁止もポイント。
押さえておきたいこと
自社の高リスクAIをEU市場に出すなら、まず自己評価で足りるのか、第三者の通知機関が必要なのかを見極めることが出発点になります。通知機関を使う場合は外部審査の費用と時間がかかるため、対象かどうかの確認が早いほど計画を立てやすいでしょう。
Topic「通知された機関」という変わった名前の由来
notified body(通知機関)という独特の名前は、加盟国が「この機関を認証役に指定しました」と欧州委員会へ通知することに由来します。AIのために生まれた言葉ではなく、EUが玩具や医療機器などの製品安全の認証制度で長年使ってきた仕組みの用語を、そのままAIに当てはめたものです。だから、おもちゃの安全認証とAIの審査が、同じ「通知機関」という枠組みの上に乗っている格好。
関連用語
通知機関に関するよくある質問
- CEマーキングとはどう関係しますか?
- 適合性評価をクリアすると、提供者はEU適合宣言を行い、製品にCEマークを付けてEU市場に出せます。通知機関は、そのお墨付きを与える第三者評価の一端を担います。
- 通知機関は政府機関ですか?
- 政府そのものではなく、加盟国が指定した独立の第三者機関です。評価対象のAIの開発や販売に関わってはならず、中立性が厳しく求められます。