リテールメディアとは

リテールメディアとは、小売事業者が自社の購買データや、サイト・アプリ・店頭などの場を、広告の枠として広告主に提供する仕組みのことです。たとえばネットスーパーの検索結果や商品ページに、メーカーが広告を出す。その小売だけが持つ「誰が何を買ったか」というデータを使って、買い物中の客に狙って広告を届けられるのが特徴です。

英語表記:Retail Media(広告ネットワーク化したものはRetail Media Network/略称RMN)

なぜ急に注目されているのか

追い風になっているのが、プライバシー保護とサードパーティCookieの規制です。外部から買ってきたデータが使いづらくなるなか、小売が自前で持つ購買データの価値が一気に高まりました。しかも広告を見せる場所が「まさに買い物をしている画面」なので、興味を引いてから購入までの距離が近い。広告の効果を実際の売上で確かめやすい点も、広告主にとって魅力でしょう。

代表例と市場の大きさ

先頭を走るのがAmazonで、米国のリテールメディア市場のおよそ77%を占め、世界の広告収入は約560億ドル(2024年)にのぼります。これに続くのが、小売大手ウォルマートのWalmart Connectなどです。米国全体のリテールメディア広告費は約600億ドル規模(2024年)とされ、小売各社にとって本業の物販を支える、利益率の高い新しい収益の柱になりつつあります。

Topic実は昔からある「棚の場所代」のデジタル版

新しい言葉に聞こえますが、発想そのものは目新しくありません。スーパーで目立つ棚の位置や、チラシへの掲載は、昔からメーカーがお金を払って確保してきた「広告の場」でした。リテールメディアは、この「棚の場所代」を、購買データとデジタル広告で精密にしたものと捉えると腑に落ちます。誰がいつ何を買ったかが分かるぶん、「この商品をよく買う人にだけ見せる」といった細かな出し分けができる。リアル店舗の知恵が、データの力で進化した形なのです。

リテールメディアに関するよくある質問

リテールメディアと、検索やSNSの広告は何が違いますか?
検索やSNSの広告が買い物の前段階で興味を引くのに対し、リテールメディアは「すでにその店で買い物をしている人」に向けて出します。その小売だけが持つ購買データを使い、買う直前に届けられる点が大きな違いです。
リテールメディアは大手小売だけのものですか?
規模の大きい小売ほど有利ですが、専門ECやドラッグストア、食品スーパーなども自社の広告枠を持ち始めています。購買データと顧客接点があれば、規模を問わず新たな収益源になりえます。
「リテールメディア」と「RMN」は同じ意味ですか?
ほぼ同じ取り組みを指します。小売が持つ広告の枠や仕組みをネットワークとして整えたものをRMN(リテールメディアネットワーク)と呼び、その全体の動きをリテールメディアと呼ぶ、という関係です。

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